[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国研究・イノベーション機構(UKRI)
- 元記事公開日:
- 2023/06/15
- 抄訳記事公開日:
- 2023/08/23
-
REF 2028に関する初期決定事項(国による研究評価方法の見直し)
- 本文:
-
(2023年6月15日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)
英国の高等教育財政組織は、次の「研究卓越性枠組(Research Excellence Framework: REF)」の概要設計に関する初期決定を行った。次期REFは、2021年から2027年までの研究および効果を評価し2028年に完了する予定である。この評価は、英国全土で優れた研究を推進し、研究への公共投資に対する説明責任を果たし、毎年約20億ポンドの包括助成金の配分に反映される。
財政組織は、国による評価の重点を、個人の業績から、機関や学問分野による、健全で動的かつ包摂的な研究環境への貢献へと変更しようとしている。また、研究および研究過程へのより広範な貢献を評価に含める意向である。
■ 動機付けの再構築
英国の国による研究評価活動の再設計は、研究制度内の動機付けを再構築し、何を評価し報酬を与えるべきか再考する機会となる。
REF 2028の変更には、活力に満ちた持続可能な英国の研究制度を支える人材、文化、環境に適切な評価が与えるため、研究卓越性の定義拡大を含む。
■ 3つの評価要素
3つの評価要素の変更により、REF 2028は、より広範な研究成果、活動、効果を評価し、報奨することができるようになり、ポジティブな研究文化を創造し、研究と研究を可能にするスタッフを育成しようと努める機関に報いることが可能になる。
財政組織はまた、評価に関連する事務運営労力が適切であることを保証するよう努めてきた。
・人と文化(25%加重)
この要素は、REF 2014および2021の環境要素に代わるものであり、研究文化の評価を含むように拡大される。この要素の評価に反映される根拠は、研究機関段階および専門分野の提出論文段階の両方で収集される。
・知識と理解への貢献(50%加重)
この要素は、REF 2014および2021の成果要素を拡大するものである。この評価は引き続き、主として提出された成果物の評価に基づいて行われる。ただし、REF 2028では、スコアの少なくとも10%が、この分野の進歩に対する広範な貢献の証拠に基づくことになる。
・関与と効果(25%加重)
この要素は、REF 2014および2021の効果要素に代わるものであるが、2014の効果要素に類似している。提出物は、効果の事例報告と、事例調査を超えた関与・効果活動を証明する付随申告の両方で構成される。
■ 新たなアプローチ
REF 2028では、個人の評価から完全に離れ、研究量の決定に新たなアプローチを採用する。研究量は、複数年の平均スタッフ数から決定される。個人の貢献度には、最小値も最大値もなくなる。
REF2028では、すべての研究者と研究を可能にするスタッフの業績が提出対象となる。これらの変更は、評価の包摂性を高め、他業種から学術界に移ってきた研究者を支援する環境を提供することを意図している。
[DW編集局]