[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/07/19
抄訳記事公開日:
2023/08/24

Horizon Europe:EUミッション、2030年目標達成に向けて順調に進捗

Horizon Europe: EU Missions on track to meet their 2030 ambition towards a greener and healthier continent

本文:

(2023年7月19日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

Horizon EuropeのEUミッションは、最初の2年間で、欧州をデジタル時代に適合させる「欧州グリーンディール」および「欧州がん撲滅計画」に関する欧州委員会の取り組みを支援してきた。EUミッションは発足以来、変化を加速する潜在力を実証してきた。主にHorizon Europeからの資金提供に支えられ、EUの政策やプログラムを地域の活動や市民の参加と結びつけ、支援してきた。気候変動への適応、がん患者の生活改善、海洋・淡水の生態系の浄化、都市の気候中立化、土壌の健全化などの重要領域において、2030年までに野心的な目標を達成するべく順調に進捗している。

これらは、本日採択されたHorizon Europeの下でのEUミッションに関する政策文書の結論である。現行の5つの各ミッションにおける主な成果を強調するとともに、ミッションが直面した課題を特定し、これらに対処するための一連の施策を提案している。今回の文書では、Horizon Europeの「第2の柱」予算の11%をEUミッションに支出することも提案している(現在の10%から増額)。これは、2024年から2027年までの総額30億ユーロ強に相当する。また、「新欧州バウハウス」に関する新たなEUミッションの準備も開始する。

欧州委員会は、EUミッションをさらに効果的にする次のような取り組みを行っている。

・EUミッションのガバナンスをより効率的、包括的、効果的なものにする方法について、政策実行主体、特に加盟国との議論を強化する。
・官民パートナーシップやイノベーションの公共調達など、民間部門のより大規模な参加を確保するべく、より広範な手段のポートフォリオを動員する。
・市民の参画を促進し、EUミッションに対する公衆の意識向上を図るべく、地域および国家間のコミュニケーション活動支援に的を絞った施策を実施する。

EUミッションが変化を促す可能性があること、新欧州バウハウス構想が既にEUミッションといくつかの特徴を共有していることを踏まえ、欧州委員会は本日、最初の5つのミッションと同じプロセスに沿って、新たなEUミッションの準備段階を開始する。これには、ミッションボードの任命とミッション実施計画の立案が含まれ、どちらもミッションの正確な目標とマイルストーンの設定に資するものである。

◼ EUミッションのこれまでの主な成果

・「気候変動への適応に関するミッション」は、2030年までに少なくとも150の欧州地域が気候変動に強靭になるよう支援することを目的としている。発足以来、308の地域および地方自治体がミッション憲章に署名した。

・「がん対策ミッション」は、予防と治療を通じて、2030年までに300万人以上の人々の生活を改善し、がん患者と家族がより長くより健康に生きることができるようにするという野心的な目標を掲げている。

・「気候中立・スマートシティミッション」の目標は、2030年までに100箇所の気候中立・スマートシティを達成し、これらの都市が欧州全都市の実験・イノベーション拠点としても機能するようにすることである。

・「我々の海と水を取り戻すミッション」の目標は、海洋・淡水の生態系の保護・回復と、増大し続ける水生資源への負荷を調和させることである。

・「土壌ミッション」は、2030年までに100のリビング・ラボ(Living Labs)とLighthouse(灯台役)を設立するという目標の下、農村部と都市部の土壌の持続可能な管理と回復のためのソリューション提供を目指している。

[DW編集局]