[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2023/07/19
抄訳記事公開日:
2023/08/25

CNRS、スタートアップスタジオと共同して新興企業の成長を支援

Le CNRS s'allie à cinq start-up studios pour dynamiser la croissance de jeunes entreprises

本文:

(2023年7月19日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記発表の概要は以下のとおり)

CNRSは、スタートアップ支援プログラム「RISEプラス」を設立すると発表した。立ち上げと成長という、起業エコシステムに特有の課題の克服を目的に、5つのスタートアップスタジオと協力する。RISEプラスは、研究成果の実用化という観点ではこれまでのCNRSの活動の延長上にあり、スタートアップの創出に特化した支援プログラムであるRISEから得られた教訓に基づき、特定の市場に関わる知識を含めスタートアップに対する長期的な支援を提供するものである。

パートナーとなるスタートアップスタジオは、新薬と治療法を専門とする「ホームバイオサイエンス(Home Biosciences)」、健康技術と栄養に焦点を当てている「M2ケア(M2Care)」、遺伝子および細胞治療に取り組む「メッドXセル(MedXCell)」、量子技術に取り組む「クオンタム・ラーンチパッド(Quantum Launchpad)」、農業、グリーンケミストリー、材料などの産業分野で活躍する「テクノファウンダーズ(Technofounders)」である。

フランスとスイスのグループ「メッドXセル」のズビンデンCEOは、「フランスと欧州の基礎研究は非常に高いレベルにあるが、初期開発段階を順調にこなすためには、資本注入と運用能力を合わせたハイブリッドモデルによるトランスレーショナル開発を強化する必要がある」と述べた。

同じくRISEプラスのパートナーである「テクノファウンダーズ」のビランボー社長は、運用支援の重要性を強調し、「スタートアップの計画、製品戦略およびチーム、施設、競争力などの観点から必要な資源を全体として構築していく。多くの場合、研究者は自分でCEOの役割を引き受けようとはしないが、スタートアップスタジオがこのギャップを埋めるために介入することになる」と語った。「テクノファウンダーズ」では、スタートアップ創成プロセスの期間は3か月半から1年で、コミュニケーション、金融などの支援サービスへのアクセスを含む包括的なサポートを提供し、新興企業の成長に不可欠なサービスを提供する。

M2ケアの共同経営者であるコンファブルー氏は、ベンチャービルディングの重要な役割を主張し、「M2ケアのプロジェクトごとに資本だけでなくスキルも投入して、支援するプロジェクトに直接関与している。プロジェクトごとに7人からなるチームが18から36か月間取り組み、研究アイデアを実行可能なスタートアップに変え、適切な人材を採用し、強力な運用上の役割を果たすことに専念している」と述べた。

RISEプラスは、この5つのスタートアップスタジオと提携してCNRSの傘下の研究所で開発された技術に基づきスタートアップに展開していくものである。スタートアップスタジオは、CNRSからプロジェクトを進めるために必要な資源と専門知識の恩恵を受けることができる。これは、研究とビジネスの間にこれまでなかったステップであり、プロジェクトの商業的実現可能性について、客観的な視点を提供することができると言われている。CNRSは、今後数か月以内に12の合意に達することを目指している。

[DW編集局]