[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2023/06/19
抄訳記事公開日:
2023/08/25

UKRI、英国の研究基盤整備に7,200万ポンドを投資

UKRI invests £72 million upgrading UK research infrastructure

本文:

(2023年6月19日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

UKRIはこのほど、新たな研究基盤プロジェクトへの7,200万ポンドの投資を発表した。今回の資金提供には以下の対象を含む。

■ 国立風洞施設+(NWTF+)

UKRIは、英国の流体力学の研究能力を変革するため、11の個別風洞、実験データベース、既存施設のグレードアップに総額2,300万ポンドを投資する。
NWTF+、は世界をリードする風洞ネットワークを提供する。社会的および産業上の重要課題に対処する。

■ BioFAIR

生物学および生物医学の研究を支援するため、新たなデジタル研究基盤であるBioFAIRが設立される。これにより、ELIXIR(欧州ライフサイエンス研究基盤)のような組織による既存のデータ処理、分析、リポジトリ・インフラへのアクセスが拡大され、研究者のデータの検索可能性、アクセシビリティ、相互運用性、再利用性(FAIR)および再現性が最大化される。

BioFAIRは、研究者、個々の機関のデータソース、既存のデータインフラ間のギャップを埋めることで、発見を加速し、医学や農業などの多様な分野での研究の進歩を支援する。

5年間で3,400万ポンドの資金提供は、ビジネスケースの承認が条件となる。

■ UK ELT: 超大型望遠鏡(ELT)用の次世代計測スイート

現在チリのアタカマ砂漠に建設中の欧州南天天文台(ESO)のELTは、世界最大の可視光および赤外光望遠鏡となる。初期の宇宙や他の天体をこれまでにないほど詳細に探査し、これまで以上に鮮明な観測を可能とする。英国は、この最先端の望遠鏡の建設に資金提供しているESO加盟16カ国の1つである。
UKRIは、ELTに完全な計測スイートをもたらす、基盤的な設計・開発作業を実施するスコーピング・プロジェクトに680万ポンドを投資する。

■ 次世代重力波研究基盤

重力波観測所は、重力波と呼ばれる時空の小さな歪みを測定する。これは、従来の望遠鏡では調査できないブラックホールのような天体を観察する画期的な方法である。
UKRIは、次世代の重力波研究基盤において英国がリーダーシップを取れるようにするため、計測技術と計算技術の概念設計に800万ポンドを投資する。

[DW編集局]