[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
公的生活基準委員会
元記事公開日:
2023/07/06
抄訳記事公開日:
2023/08/30

AIと公共規格:2023年公共団体調査

AI and Public Standards: 2023 public bodies survey

本文:

(2023年7月6日付、政府の公的生活基準委員会(Committee on Standards in Public Life)の標記発表の概要は以下のとおり)

公的生活基準委員会の2020年AI報告書では、政府省庁、地方自治体、警察、NHS Trust、および民間の公共サービスプロバイダを含む、AIに関する意思決定を行う公的機関に対し、AIに関連する倫理的リスクを管理するための効果的なガバナンス体制を確立するのに役立つ勧告を行っている。

3 年が経過し、AIの開発がかなりの速度で進んでいることは明らかである。そのため、委員会は上記報告書で行われた勧告事項をフォローアップしており、年内に進捗状況に関する正式な最新情報を発表する予定である。

そこで同委員会委員長は、関連機関に書簡を送り、現在意思決定にAIを活用しているかどうか、また活用している場合は、AIのガバナンスプロセスを報告書の勧告に沿ってどのように適応させているかを尋ねた。

なお上記の公共機関および民間の公共サービスプロバイダへの勧告は次のようなものである。

■公的基準に対するリスクの評価
公共サービスの提供者は官民ともに、プロジェクトの設計段階で、提案されているAIシステムが公的基準に及ぼす潜在的な影響を評価し、特定された標準リスクがシステムの設計によって確実に軽減されるようにする必要がある。
■多様性
公共サービスの提供者は、官民を問わず、多様な行動、背景、視点を確実に考慮し、偏見と差別の問題に意識的に取り組む必要がある。
■責任の遂行
公共サービスの提供者は、官民を問わず、AIシステムに対する責任が明確に割り当てられ、文書化され、AIシステムの運用者が有意義な方法で責任を遂行できることを保証する必要がある。
■モニタリングと評価
公共サービスの提供者は、官民を問わず、AIシステムが常に意図したとおりに動作するように、AIシステムをモニタリングおよび評価する必要がある。
■監督体制の確立
公共サービスの提供者は、官民を問わず、AIシステムを適切に精査するような監督体制を設定する必要がある。
■異議申し立てと救済
公共サービスの提供者は、官民を問わず、自動化された決定やAI支援による決定に対して、異議を申し立てる権利とその方法を常に市民に周知する必要がある。
■訓練と教育
公共サービスの提供者は、官民を問わず、AIシステムを使用する従業員が、継続的に訓練と教育を受けられるようにする必要がある。

[DW編集局]