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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)
- 元記事公開日:
- 2023/07/20
- 抄訳記事公開日:
- 2023/09/01
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欧州委員会:ドイツ最大の脱炭素化プロジェクトを承認
Europäische Kommission genehmigt bislang größtes Dekarbonisierungsprojekt in Deutschland
- 本文:
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(2023年7月20日付、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は本日、Thyssenkrupp Steel Europe社の鉄鋼生産の脱炭素化を促進するため、BMWKからの国家援助を承認した。これにより、ドイツの産業を気候中立に向けて変革する中心的なプロジェクトの道が拓かれた。ノルトライン・ヴェストファーレン州と合わせて、BMWKはこのプロジェクトに約20億ユーロを助成する。このプロジェクトにより、年間最大350万トンの二酸化炭素排出が削減される予定である。
ロベアト・ハーベック(Robert Habeck)BMWK大臣は次のように述べた。「この決定は気候保護と産業拠点としてのドイツにとって非常に重要である。ドゥイスブルグ工場は、最大の二酸化炭素排出源の一つであるだけでなく、自動車からタービンまでのドイツの価値創造の中心となるものである。このプロジェクトにより、ドイツとヨーロッパの水素経済がさらに推進される。今後“IPCEI Wasserstoff”(欧州共通の関心を持つ重要なプロジェクト-水素)の枠組みの中で、さらなるプロジェクトを支援し、水素の生産と輸送も可能にする」
Thyssenkrupp Steel Europe社のプロジェクト、「tkH2steel」は、当初「IPCEI Wasserstoff(欧州共通利益重要プロジェクト-水素)」の一部として選ばれ、現在は、欧州委員会によって個別に承認されている。
「tkH2steel」では、約140キロトンのグリーン水素と、再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素を使用して、年間最大230万トンの銑鉄を気候中立で生産する。年間最大350万トンのCO2を削減し、これはドイツ鉄鋼業全体の排出量の6%以上に相当すると共に、ドイツの産業が排出する温室効果ガス排出量の1/3を占める。プロジェクトは、2026年に稼働し、2028年から段階的にグリーン水素に変換される。
「IPCEI Wasserstoff」の2番目の重要な助成は、2023年5月末にSalzgitter社に対して行われている。ザールランド州のStahl-Holding-Saar社のプロジェクトと、ブレーメン他のArcelor-Mittal社のプロジェクトは、欧州委員会の国家援助承認手続き中である。
[DW編集局]