[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2023/08/23
抄訳記事公開日:
2023/09/15

BMBF、ドイツと欧州のための「AIアクションプラン2023」を発表

KI-Aktionsplan: Spitzenposition für Deutschland und Europa

本文:

(2023年 8月23日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記発表の概要は以下のとおり)

ベッティーナ・シュタルク=ヴァッツインガー(Bettina Stark-Watzinger)BMBF大臣は本日、「AIアクションプラン2023」を発表した。

BMBF大臣は「AIはキーテクノロジーであり、我国の科学、成長、繁栄、競争力、社会的付加価値に大きな機会をもたらす」と述べた。ドイツとヨーロッパは、AIが先導する世界で主導的地位を占め、AI技術主権を達成する。BMBFはAIツール、AIコンピタンス、AIインフラの提供を基本サービスの一部と考えており、AIアクションプランは、BMBFの戦略を更新して、連邦政府のAI戦略に貢献するために、フレームワーク条件を改善することを目的としている。

■目標と行動分野:

BMBFは、アクションプランにおいて次の3つの包括的目標を設定している。
❶AI分野におけるドイツの優れた研究と技術基盤によって、目に見える測定可能な経済的成功と具体的な利益を実現する。
❷信頼できる「メイド・イン・ヨーロッパ」のAIを目指し、従来の強みを最適な形で融合させる。
❸他の省庁や利害関係者とのAIに関する対話と戦略プロセスを、ターゲットを絞って結果指向の方法で推進する。

さらにドイツが的を絞って行動できるよう、BMBFは最も早急な取り組みを必要とする11の行動分野を特定した。11分野は次の通り。
1) 研究基盤の継続的な強化
2) 新たな視点の研究課題の設定
3) AIインフラの目標に合わせた拡張
4) AIコンピタンス強化の推進
5) 教育システムにおけるAIベースのテクノロジーの研究と設計
6) AIの開発とビジネス機会への転換の加速
7) 保健分野のAI:すべての人々のための社会的利益
8) AIの社会的・科学的利益に的を絞った開発
9) 欧州内および国際協力の強化
10) AIに関する社会的対話と学際的な研究の推進
11) 適時適切なイノベーションに配慮した規制の導入

■新しい推進力:

またAIアクションプランにより、AIに新たな推進力が与えられ、継続的な発展を目指す:
▽強力なAIスペシャリスト・ベースの構築、コンピューティング・インフラの拡大、データへのアクセス改善を推進する。
▽欧州AI戦略の設定とさらなる発展において主導的な役割を果たす。
▽具体的な経済的・社会的利益の観点から優先順位を決定する。
▽自身の管轄部署内でAIを強化し活用する。
▽他の関係者と共に、連邦政府のAI戦略をさらに発展させるために、AIアクションプランを用いて、将来の利益を見越して予め資金援助を行う。

これまで連邦政府は、AIをめぐっては、2018年11月15日に「AI戦略(KI-Strategie)」を閣議決定。国際競争におけるAIの研究、開発、応用のビジネス拠点としてのドイツを強化することを戦略目標とし、計12の行動分野を網羅する全体的なアプローチをこの戦略で検証し、実施してきた。焦点は、AIの広範な適用を強化すると共に、優れたイニシアチブと組織・構造の可視化を推進し、ドイツとヨーロッパにおけるAIエコシステムを確立、拡大することであった。

その後2020年12月2日、AI戦略が更新され、新たな開発とニーズに焦点が当てられた。特にパンデミック制御、持続可能性、環境および気候保護、国内外のネットワーク構築などのテーマが、さまざまなイニシアチブの中心目標・課題となっていた。

今回の「AIアクションプラン2023」は、これまでのBMBFのこうしたAI戦略を更新したものである。

[DW編集局]