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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防科学技術研究所(Dstl)
- 元記事公開日:
- 2023/08/18
- 抄訳記事公開日:
- 2023/09/19
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ゲームを通じて人工知能から学ぶ
- 本文:
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(2023年8月18日付、国防科学技術研究所(Dstl)の標記発表の概要は以下のとおり)
Dstlは、人工知能(AI)に関する「マシン・スピード・コマンド・アンド・コントロール(Machine Speed Command and Control:MSC2)」プロジェクトが最近開催した2日間のワークショップに参加した。
この革新的なワークショップは、MSC2パートナーの1つであるCambridge Consultants社によって運営された。広範なチーム全体で、AIの機会と課題について共通の理解を構築することを目的に、多様な業界参加者が参加した。
多くの共通理解が実践的な演習を通じて探究され、商用ゲームの技術が題材として使用された。そこでは、ゲームを介したコマンド・アンド・コントロール(C2)に対するプロジェクトの新たなAIアプローチが紹介された。
MSC2プロジェクトは、C2を改善・変革する方法を示すことを目指しており、競合者のC2能力よりも迅速かつ優れたC2能力を実現することで、これを達成する。
「ヒューマン・エージェント・コレクティブ(HAC)」の活用という文脈の中で実現されるC2へのAIの応用に広く焦点が当てられた。この「C2・HAC」は、共有されたデジタル・アーティファクトを基盤として、人間の洞察と機械的速度のエージェントを組み合わせたものである。
このワークショップは、C2分野に適用されるAIについての全般的な理解を高めるだけでなく、「StarCraft II」のような商用ゲームについても検証すべく企画された。これは、学術界や産業界でAI研究に広く使用されている商用ゲームである。AI研究を支援するために利用できるプログラミング・インターフェースがあり、強力なe-スポーツ・コミュニティもある。つまり、人間が生成した大量のデータと専門情報が存在する。
StarCraft IIについては、2019年にDeepmind社のAlphaStar AIが人間のプロ・プレイヤーの大半を打ち負かしたことで話題になった。これは、チェスや囲碁など、それまでのゲームAIの金字塔に比べてもはるかに困難な挑戦であった。
MSC2プロジェクトは、StarCraft IIを使用して、軍事C2のような問題を支援するゲームAIの可能性を探究している。さらに、StarCraft IIに関する取り組みでは、AIを使用して多国籍環境でC2を支援することを検討しており、Dstlの多くの国際共同研究に反映されている。
[DW編集局]