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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/08/24
- 抄訳記事公開日:
- 2023/09/21
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欧州研究インフラ・コンソーシアム(ERIC)法的枠組みの活用促進
Use of European Research Infrastructure Consortium(ERIC), legal framework accelerating
- 本文:
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(2023年8月24日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は先ごろ、欧州研究基盤コンソーシアム(ERIC)規定に関する第3次報告書を採択した。
2011年以降、26のERICsが設立され、ERICは欧州の共通研究基盤構想、特に「欧州研究基盤戦略フォーラム(ESFRI)」のロードマップで優先順位が高いイニシアチブの大部分で選択される法的手段となっている。これは、欧州研究圏内の研究活動とリソースを構造化し、統合するのに役立っている。
しかし、多くの汎欧州研究基盤にとって、ERICsの財政的および運営上の持続可能性が課題として残されている。報告書は、ERICsのアクセスプログラムとそのサービスの可用性を強化し、利用可能なさまざまな資金源間の相乗効果を高め、国際パートナーとの連携促進し、多くの運営上の課題に対処するため、さらなる努力が必要であると提言している。
全体として、研究組織としてのERICsをさらに強化し、その影響力を高めるための施策がとられる必要がある。これには、例えば、ERICシステムのすべての構成要素および各ERICに付随する活動に関する詳細な情報の収集、共同サービスなど運用上の相乗効果の発現、公平なグリーン・デジタル移行の促進、危機に対するレジリエンスの強化などが含まれる。
報告書は、ESFRIの活動、および利害関係者の関与によって支援される新たな「欧州研究圏政策アジェンダ(European Research Area Policy Agenda)」の策定が、今後の方向性を議論するための効果的な枠組みを提供できると結論付けている。
■ 欧州研究基盤コンソーシアム(ERIC)について
ERICは、欧州の利益を目的とした研究基盤の確立と運営を促進する特定の法的形態である。ERICは、非経済ベースでの新規または既存の研究基盤の確立と運営を可能にする。ERICは、欧州委員会によるERIC設立決定が発効した日から法人となる。ERICは、このタスクに関連するいくつかの限定された経済活動を実行できる。
・ERICの利点
①すべてのEU諸国で認められる法的能力
②各基盤構造特有の要件に適応する柔軟性
③国際組織を設立するよりも迅速なプロセス
④付加価値税および物品税の免除ERICは、透明性、無差別、競争の原則を尊重する独自の調達手法を採用することができる。
・ERICの要件
①欧州の合弁事業である必要があること(欧州以外の国の参加も可能)
②研究プログラムやプロジェクトの実施に不可欠な基盤構造であること
③欧州研究圏(ERA)の発展において付加価値があり、関連する科学技術分野に大きな進歩をもたらすものであること
④欧州の研究コミュニティに対して、法令で定められた規則に従って効果的なアクセスが与えられること
⑤ERA内の知識や研究者の流動性に貢献すること
⑥成果の普及と最適化に貢献すること [DW編集局]