[本文]

国・地域名:
韓国
元記事の言語:
韓国語
公開機関:
科学技術情報通信部(MSIT)
元記事公開日:
2023/08/28
抄訳記事公開日:
2023/09/27

国家戦略技術課題中心の戦略ロードマップ策定

국가전략기술 임무중심 전략로드맵 수립

本文:

(2023年8月28日付、韓国技術情報通信部の標記発表の概要は以下のとおり)

現在国際社会において激しい技術開発競争が繰り広げられ、科学技術政策の安保化が求められている。これに対応するため、韓国政府は「12国家戦略技術」を選定したが、これに関連する全省庁の主要政策を総括・調整するため、大統領直属の国家科学技術諮問会議が設置された。2023年4月には、同会議の傘下に、官民合同特別委員会として国家戦略技術特別委員会が設置されている。そして科学技術情報通信部は8月29日、同委員会第3回会議を開催し、2次電池、半導体・ディスプレイ、先端モビリティの3分野の「国家戦略技術戦略ロードマップ(1)」を審議・議決したと明らかにした。

「戦略ロードマップ」立案方針に関しては、まず重点技術ごとに2030年までに必ず達成しなければならない課題が明示され、これに基づいて達成すべき技術が選定された。また、戦略技術特別委員会傘下の技術別調整委員会と科学技術革新本部の精密な分析の下、国家的必要性と実現可能性に留意した戦略的な定量目標が提示された。そして、課題達成・重要技術確保のための重点投資方向と、人材養成・国際協力・制度改善などの戦略技術体系構築方針が提示された。

「戦略ロードマップ」の主な内容は次のとおりである。

1. 2次電池

米国・欧州連合の規制強化に備えて環境への配慮を高めつつサプライチェーンを安定させることが重要である。また、中国の世界市場占有率拡大に対応するため、性能・価格競争力高度化が急がれる。そこで、「2次電池技術先進国の地位の死守」を目標として、リチウムイオン電池セル・素材、次世代2次電池、2次電池モジュール・システム、再使用・再活用といった4大重点技術別に詳細な目標が提示された。

2-1.半導体
超巨大人工知能の本格化に備え、莫大な電力消費量を最小化できる低電力・高効率化が中心課題となるものと思われる。そこで、「メモリの1位死守とAI半導体の競争国との新たな格差の確保」を目標に、高集積・抵抗のメモリ、高性能・低電力の人工知能半導体、先端パッケージ、電力半導体、高性能センサー、素材・部品・装置の重点技術6分野中心のロードマップを策定した。

2-2.ディスプレイ
ディスプレイは、韓国の競争力維持のために他国の追随を許さない性能の確保が急がれる。特に、融複合製品が大衆化段階に入り、将来の国防への活用が大きく期待される中で、次世代市場の主導権を先占することが韓国産業にとっての新たな機会となるものと思われる。そこで、「ディスプレイ世界競争力1位奪還」を目標に、無機発光、柔軟・伸縮、素材・部品・装置の重点技術3分野に注目した。

3. 先端モビリティ
先端モビリティは、技術開発競争が加速しており、また規制中心の経済安保競争が激烈である。そこで、「受容性・安定性・環境への配慮の実現」を目標とし、自律走行システム、都心航空交通、電気・水素車の重点技術3分野を中心に分析が行われた。

一方、戦略技術特別委員会は、戦略ロードマップとともに国家戦略技術の成否を左右する最高水準の人材を確保し、質的力量を向上させるために、「研究開発による国家戦略技術人材確保戦略」を非公開案件として上程・協議した。本案件は今後、国家科学技術諮問会議の審議を経て、最終確定することとなっている。

特にリチウムイオン電池については、中国の主力製品であるリン酸鉄(LFP)バッテリーの国際市場への浸透が強化されていることから、競争国の追撃を圧倒する超高性能化が必要となっている。そこで、理論的限界水準である350Wh/㎏級のエネルギー密度の実現という野心的な目標を掲げ、そのためにハイニッケル陽極材、シリコン系陰極材など重要素材を確保することを重要課題として設定した。

そして、次世代電池先占に関連して、他国の追随を許さない性能のために、リチウム金属や超安全を実現するための半・全固体電池商用化(400Wh/㎏)を推進し、特に鉱物資源確保競争の激化に備えて、リチウムを豊富に存在するナトリウムに代替する、ナトリウムイオン電池(220Wh/㎏以上)の中心技術への投資拡大も行う。

二次電池エコシステム構築策としては、世界鉱物資源確保のためのパッケージ支援、完成車メーカーの協力による使用済みバッテリー管理の高度化、サプライチェーン企業の素材・物品の検証を含むオープンイノベーションの強化などを提示した。

[DW編集局]