[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT) 
元記事公開日:
2023/09/04
抄訳記事公開日:
2023/10/02

英国政府、「AI安全サミット」の目標を発表

UK government sets out AI Safety Summit ambitions

本文:

(2023年9月4日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)

英国政府は本日、11月1~2日に開催されるAI安全サミットの目標を発表した。サミットでは、主要国、主要技術機関、学界、市民社会が集結して、人工知能(AI)開発の最前線において迅速に取るべき国内および国際的な行動について情報を提供する。

本サミットでは、最強のAIシステム特に潜在的に危険な能力を持つシステムによって、生み出されるあるいは著しく悪化するリスクに焦点を当てる。これには、例えば、バイオセキュリティを侵害する可能性のある情報へのアクセスの広範化などがある。サミットでは、救命医療技術からより安全な輸送に至るまで、安全なAIを公共の利益のために活用して人々の生活向上に資する方策にも焦点を当てる。

サミットでは、これらの議論に情報を提供するため、開催前および開催期間中、さまざまな視点からの意見を求める。英国は、最先端のAIを安全なものにし、現在および将来にわたって世界中の国や市民がその恩恵を享受できるようにするため、これらの問題について世界のパートナーと緊密に連携することを期待している。英国は現在、繰り返し協調的な議論を進める上で、今後検討されるべき5つの目標を公表している。これらは、当初の利害関係者との協議と根拠収集に基づくもので、サミットでの議論の枠組みとなる。

・最先端AIがもたらすリスクに関する共通理解と実行策の必要性
・最先端AIの安全性に関する国際協力の推進プロセス
・最先端AIの安全性を高めるために個々の組織が講じるべき適切な措置
・モデル機能の評価やガバナンスを支援する新たな基準の策定など、AIの安全性研究に関する潜在的な協力領域
・安全なAIの開発によって、AIが世界中で良い目的に利用されるようになることを示すこと

AIへの投資、導入、機能の向上は、生産性と公共利益にとって大きなチャンスをもたらす。ますます汎用性の高い機能を備えたモデルの出現と、アクセシビリティとアプリケーションの段階的な進歩により、今後10年間で最大7兆ドルの成長と、創薬の大幅なスピードアップが見込まれている。

ただし、適切なガードレールがなければ、この技術は国境を超えて重大なリスクをもたらす。国際レベルでの対応も含め、これらのリスクに対処する必要性がますます高まっている。

[DW編集局]