[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2023/09/01
抄訳記事公開日:
2023/10/02

BMBF:Euro-Q-Exaにより量子コンピューティングを大きく前進

Stark-Watzinger: Mit Euro-Q-Exa bringen wir Quantencomputing einen großen Schritt voran

本文:

(2023年9月1日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記発表の概要は以下のとおり)

BMBFの助成プロジェクト「エクサスケール・ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)のための欧州量子コンピューティング」(Euro-Q-Exa)が9月1日に始まった。欧州連合(EU)、ヨーロッパ諸国、民間パートナーが共同でスーパー・コンピューティング・エコシステムを開発するイニシアチブ「Euro HPC」の一環で、最先端の量子コンピュータをHPC環境に統合することになる。

「Euro-Q-Exa」は、既存の量子コンピューティングの実証機をベースに開発されている。今回の開発により、ガルヒングにあるライプニツ・コンピューティング・センターは、EUイニシアチブの一環として量子コンピュータを運用する6つの機関の1つとなった。ほかの5拠点と緊密に協力し、欧州の既存の量子コンピューティング能力をさらに発展させ、基礎研究と実用化の橋渡しをする。

ベッティーナ・シュタルク=ヴァッツインガー(Bettina Stark-Watzinger)BMBF大臣は次のように述べた。「量子コンピューティングは、大きな可能性を秘めた未来のテクノロジーであり、いわゆるHPCと組み合わせることで、サプライチェーンの最適化、医療における画像解析、気候関連のシミュレーションなど、新たなソリューションが可能となる。大きな前進となるプロジェクト「Euro-Q-Exa」が立ち上がり、BMBFは1,350万ユーロを助成する。ドイツバイエルン科学アカデミーのライプニツ・コンピューティング・センターは、EUのイニシアチブの枠内で量子コンピュータを運用できる6機関の1つとなる。これにより、研究者はHPC環境で量子コンピュータの技術的特性をテストできるようになり、研究拠点としてのドイツを強化するとともに、ヨーロッパの技術主権に大きく貢献するだろう」

なお連邦政府は2023年4月、BMBFが提出した「量子技術アクション・コンセプト(Handlungskonzept Quantentechnologien)」を閣議決定している。これは、2023年から2026年までの連邦政府活動の戦略的調整フレームワークを形成するもので、約30億ユーロが拠出される予定である。

[DW編集局]