[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2023/09/05
抄訳記事公開日:
2023/10/04

BMBF:2028年までに核融合研究に10億ユーロを助成

Eine Milliarde Euro für die Fusionsforschung bis 2028

本文:

(2023年9月5日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記発表の概要は以下のとおり)

ベッティーナ・シュタルク=ヴァッツインガー(Bettina Stark-Watzinger)BMBF大臣は、核融合研究に対する大規模な助成プログラムを発表した。

発表によると、BMBFは今後5年間で3億7,000万ユーロを投じ、プラズマ物理学研究所(IPP)、カールスルーエ工科大学(KIT)、ユーリッヒ研究センター(FZJ)ですでに進行中のBMBFの研究活動を強化。あらかじめ技術的に決めることなく、磁気核融合とレーザー核融合の両方を推進し、技術的に中立の立場で、磁場核融合とレーザー核融合の両方に資金を提供するという。

またBMBFは、レーザー駆動核融合に関するインフラ開発のための民間との協力も計画しており、「飛躍的イノベーション機構」(SPRIN-D)を通じて、子会社「Pulsed Light Technologies GmbH」を設立し、今後5年間で最大9,000万ユーロを投資する予定である。

これらにより、すでに研究機関に割り当てられた資金と合わせると、2028年までに10億ユーロ以上を提供することになる。BMBF大臣は「目的は、革新的な未来のエネルギーを通じて、クリーンで信頼性が高く、安価なエネルギー供給を担保することである。核融合発電所の早期実現のため、産業界とともに核融合エコシステムを構築したい」と話した。

BMBF大臣は5月、レーザー核融合に関する専門家委員会の報告書を受け取っている。この報告書では、レーザー核融合に関する産業および研究の拠点としてのドイツの可能性が述べられており、核融合発電所実現に向けたさらなる研究の必要性が強調されている。またBMBFが6月に発表したポジションペーパーには、実現のための枠組み条件を示されている。それが、今回発表されたプログラムの基礎となっている。

[DW編集局]