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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/09/06
- 抄訳記事公開日:
- 2023/10/10
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社会保障のデジタル化促進:欧州人の外国での生活、仕事、旅行を容易にする措置
- 本文:
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(2023年9月6日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会はこのほど、欧州における社会保障制度の調整をさらにデジタル化するための具体的な措置を提案した。デジタルツールを最大限に活用し、市民や企業の管理負担を軽減し、国境を越えて社会保障サービスをより迅速かつ簡単に利用できるようにするための取り組みを示している。
これにより、各国の社会保障機構間の情報交換が改善され、国境を越えた適切な給付の承認と支給が迅速化される。また、欧州人が自国外で暮らし、働き、旅行すること、企業が他のEU諸国で事業を展開すること、各国政府が国境を越えて社会保障を調整することが容易になる。
これまでの国境を越えた社会保障関連情報の流通改善の努力にもかかわらず、各国システム間の相互運用性の不備により、各国の機関、医療提供者、労働監督当局は、依然としてデータの共有が困難な状況にある。資格証明書の発行や確認にもコストがかかっている。
◼提案された主な措置
欧州委員会は、加盟各国に対して以下のことを要請する。
・「社会保障情報電子交換(EESSI)」の各国への導入を加速し、2024年末までの欧州全域での完全運用を目指す。EESSIにより、各国の社会保障機構間のやり取りをデジタル化し、時間と手間がかかる紙ベースの手続きから脱却する。
・より多くの社会保障手続きを完全にオンライン化し、海外移住や海外就労を容易にし、受給資格のある給付金を迅速に受けられるようにする。各加盟国は、遅くとも2023年12月12日までに市民や企業の重要な行政手続きの一部を完全にオンライン化することを予定している「シングル・デジタル・ゲートウェイ規制(Single Digital Gateway Regulation)」を利用することができる。
・国境を越えた市民の社会保障資格の発行・確認を簡素化する方法を探る「欧州社会保障パス(ESSPASS)」の試験運用に全面的に参加する。
・「EUデジタルID(EUDI)」ウォレットの導入に向けて取り組む。これにより、EU市民は欧州健康保険カード(EHIC)などの資格証明書のデジタル版を携帯でき、社会保障機関、労働監督官、医療提供者は、即座に情報を確認できるようになる。 [DW編集局]