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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国研究・イノベーション機構(UKRI)
- 元記事公開日:
- 2023/09/08
- 抄訳記事公開日:
- 2023/10/10
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核廃棄物処理の新技術開発に向けた日英パートナーシップ
UK-Japan partnership to develop new tech for nuclear waste disposal
- 本文:
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(2023年9月8日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)
放射性廃棄物を検出して処理する技術を開発する新たな研究に、英国と日本が共同で資金提供を行った。この研究は、英国のセラフィールド原子力発電所の廃炉作業と、日本の福島原発事故による放射性デブリの除去作業を支援する。
■新技術の開発
UKRI傘下の工学・物理科学研究会議(EPSRC)により、以下の課題に取り組む上記2つのプロジェクトに、総額100万ポンドが提供された。
・放射性廃棄物の処理、封入、保管
・廃止措置における遠隔操作、ロボット、自律システム
・放射性核種放出の環境挙動、リスク管理、老朽化した基盤構造の管理この「日英民間原子力研究(UK-Japan Civil Nuclear Research)」プログラムは、UKRIと日本の文部科学省との共同事業である。
■国際科学パートナーシップ基金(ISPF)
これは、ジョージ・フリーマン科学担当大臣の去る12月訪日を皮切りに開始した国際科学パートナーシップ基金(ISPF)を通じて行われる、初のUKRIによる助成である。ISPFは、英国の研究者やイノベータ、そして世界中の研究者とのコラボレーションを支援するものであり、地球、健康、技術、人材といった現代の主要課題に取り組み、知識を構築し、明日の技術を開発することを目的としている。
■助成対象プロジェクト
・検出、防護、回収、廃棄
ストラスクライド大学のポール・マレー博士が、放射性塵芥の検出、防護、回収、処分を改善するための研究を主導する。本プロジェクトには、英国と日本の以下の研究界と産業界のチームが集結する。
-ランカスター大学
-英国国立原子力研究所(NNL)
-大阪大学
-日本原子力研究開発機構
-日本核燃料開発株式会社
このプロジェクトでは、ハイパー・スペクトル・イメージングと他のセンサー技術、信号処理、データフュージョンを活用した新たな検査技術を開発する。・ジオポリマーバインダー
シェフィールド大学のブラント・ウォークリー博士が、天然資源である焼成粘土を使って「ジオポリマーバインダー」を製造する研究を主導する。このバインダーは、金属合金、酸化物、ケイ酸塩、スラリー、堆積物からなる溶融炉心コンクリートから、放射性燃料塵芥を安全に固化する。 [DW編集局]