[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/09/21
抄訳記事公開日:
2023/10/24

IRIS2:欧州委員会と欧州宇宙機関が負担協定に署名

IRIS2: European Commission and European Space Agency signed a Contribution Agreement

本文:

(2023年9月21日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会はこのほど、欧州宇宙機関(ESA)との負担協定(Contribution Agreement)に署名した。これは、EU安全接続プログラム(IRIS2)設立の重要な要素となる。

この協定は、EU宇宙計画の実施に向けて2021年に欧州委員会、ESA、EU宇宙計画局(EUSPA)の間で署名された財政枠組みパートナーシップ協定(Financial Framework Partnership Agreement)に基づいている。協定は、IRIS2の革新的な側面に適用されるもので、プログラム実施の効率と有効性を向上させるために得られた教訓に基づくものである。

協定は、両機関の意思決定を考慮し、今後の財務上の展望における利用可能な資金を予断することなく、必要なセーフガードを提供する。さらに、EUプログラムおよび関連するESAプログラムを介して安全な接続に関する業務を実施する際に、両機関が一致して行動することを保証するための調整メカニズムが設置される。

■ESAの役割

ESAは、政府基盤構造の認定・検証機関という重要な役割を委ねられることになる。具体的には、ESAは、産業界がEUの要求に従って成果を出せるよう支援する。ESAはまた、欧州委員会が次世代システムを設計する際にも支援する。その使命を遂行するため、ESAには3億8,000万ユーロの予算が付与されている。

■IRIS2について

本プログラムは、「IRIS²」(衛星によるレジリエンス、相互接続性、安全性のための基盤構造)と呼ばれるEUの衛星群を配備することを目的としており、EUからの予算は24億ユーロである。IRIS2は、欧州の自律性、接続性、レジリエンスの3つの軸を持つ。その概要は以下のとおり:

・IRIS2は、主権のあるコンステレーションとなり、厳格な資格基準とセキュリティ要件が課される。
・IRIS2は、防衛アプリケーションを含む政府サービスに焦点を当てた衛星群になる。
・IRIS2は、コンステレーションの南北軌道を使用して、アフリカ全土のほか、現在ブロードバンド・インターネットの恩恵を受けていない地域を含む欧州全土への接続を提供する。
・IRIS2は、欧州の主要な宇宙産業のノウハウだけでなく、インフラの30%を構築する新興企業のダイナミズムも統合する、欧州流の「新しい宇宙(new space)」コンステレーションとなる。
・IRIS2は、量子暗号化などで欧州がリードする最先端技術のコンステレーションとなる。
・IRIS2は、既存のガリレオやコペルニクスコンステレーションとの相乗効果を生み出すことができる多軌道コンステレーションとなる。

[DW編集局]