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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2023/10/04
- 抄訳記事公開日:
- 2023/11/07
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英国のCERN関与戦略:CERNメンバーとしての可能性を最大限に引き出す
UK strategy for engagement with CERN: unlocking the full potential of UK membership of CERN
- 本文:
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(2023年10月4日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州原子核研究機構(CERN)は、世界有数の素粒子物理学研究施設である。フランスとスイスの国境に位置するCERNは、世界的な科学・技術の拠点であり、これまでに建設された中で最大規模で最も複雑な実験を行う施設である。そこには、研究者が物質の基本構成要素を研究し、宇宙についての理解を進めることを可能にする、他に類のない規模の専用の粒子加速器、検出器、コンピューティング基盤が備えられている。
英国は、1954年のCERN創設メンバー12か国のうちの1国であり、現在、年間約1億6,000万ポンドを拠出し、CERN予算に対して2番目に大きい貢献をしている。CERNでの実験に取り組む英国の研究者への追加資金は、年間約2,000万から3,000万ポンドである。英国は、CERNにおいて最も権威のあるいくつかの国際科学プロジェクトで指導的役割を果たし、また加盟期間中に2人の事務局長を排出するなど、多くの面で重要な役割を果たしている。
英国はCERNにコミットしているが、現在の投資対効果は改善する必要がある。この戦略は、DSITと科学技術施設会議(STFC)が、CERNの活動に改めて焦点を当てた結果得られたものである。これは、今後10年間にわたり、CERNへの投資がもたらす利益を、経済的にも、より広い意味でも最大化するという英国の目標を示している。また、英国だけでなく、CERNという組織、そのコミュニティ、その他の加盟国にとっても有益なものとなる。本戦略は、英国のCERNコミュニティ全体の関係者の視点を反映した協議プロセスを経て策定されたものである。
英国のビジョンは、パートナーと協力して科学的発見を導き、次世代にインスピレーションを与えることで、CERNへの投資の潜在力を最大限に引き出し、CERNの継続的な成功に不可欠な存在であり続けることである。
このビジョンを達成するべく、次の5つの目標を特定した。
・卓越した研究
英国の研究者が世界的な科学発見と技術開発の最前線を開拓できるようにする
・世界トップクラスのスキル
高度なスキルを持つ技術者、エンジニア、科学者を育成する
・商業的インパクトとイノベーション
価値ある事業に成功し、技術的能力を向上させ、協力によるイノベーションを促進する [DW編集局]