[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/10/09
抄訳記事公開日:
2023/11/10

新技術・イノベーションの軌道上検証に、3つの宇宙ミッションを開始

EU launches three new missions in space for validation of new technologies and innovation in orbit

本文:

(2023年10月9日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、「Horizon 2020研究・イノベーション・プログラム」の下、新たに3つの「軌道上実証・軌道上認証(IOD/IOV)」ミッション関連の打上が、フランス領ギアナの欧州宇宙基地から欧州打上げロケット、ベガVV23に搭載により開始した。これら3つのミッションは、6つの衛星と9つの実験装置からなり、以下のさまざまな応用技術の試験を行うことできる。

IOD/IOVプログラムでは、軌道上で実証実験を行い、科学・公共・商業活用に向けた飛行実績(flight heritage:実際の環境での評価)を取得することができる。軌道上での技術のテストは、市場に投入する前の最終ステップである。EUは、欧州宇宙機関の支援を受け、IOD/IOVミッションを通じて、技術開発と商業化の間の溝を埋めようとしている。

SYNDEO-1&2キューブサット・ミッションは、7件のIOD/IOV実験を集約したもので、ESTCube-2ミッションとANSERミッションは、軌道上実証試験用にすぐに飛行できる衛星として用意されたものである。

今回のベガ・ロケットによる打ち上げでは、欧州6か国の組織が次のようなIOD/IOVサービスの恩恵を受けることになる。

・SYNDEO-1&2
EUは、Horizon 2020の下で初めて、宇宙科学、技術、推進力、宇宙交通管理など、さまざまな宇宙関連テーマをカバーする7つの実験からなる集合ミッションを開始する。ミッションは、オランダの航空宇宙企業ISISpaceによって実施され、ペイロードはベルギー、スペイン、フランス、チェコの大学や中小企業によって作成されている。

・ESTCube-2
タルトゥ大学(エストニア)の宇宙学生グループによって開発されたミッションで、3Uキューブサットで構成される。プラズマブレーキ技術による軌道離脱を実証し、電気式太陽風帆を使用する将来のミッションのための深宇宙ナノ宇宙船プラットフォームの検証を行う。

・ANSER
スペイン国立航空研究所(INTA)によって開発されたもので、分光分析技術によってイベリア半島の保護区の水質を調査・監視することを目的としている。それは3つの3Uキューブサットで構成されており、地球低軌道を編隊飛行する。

[DW編集局]