[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2023/10/20
抄訳記事公開日:
2023/11/22

米欧首脳会談の共同声明

U.S.-EU Summit Joint Statement

本文:

(2023年10月20日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)

米国と欧州連合(EU)およびその加盟国は、共通の価値観によって団結し、ダイナミックな経済関係によって結ばれており、大西洋パートナーシップへのコミットメントを再確認する。経済安全保障の強化、信頼性が高く、持続可能かつ安価で安全なエネルギー転換の推進、多国間主義と国際協力の強化、民主主義・人権の尊重・法の支配という共通の価値観を実現するためのデジタル技術の活用など、差し迫った課題と機会に対応するため、これまで以上に結束している。

特に経済面での協力に関する主要な確認事項は以下のとおり。

▽米国・EU貿易技術評議会(TTC)の進展を評価し、2023年後半に開催されるTTC閣僚会合に向けて共同作業を進める。
▽互恵的なサプライチェーンに重点を置き、適正な雇用と経済機会を促進するため、大西洋横断市場を強化する。
▽気候変動、生物多様性の減少、環境汚染という緊急かつ相互依存的な危機に対処するため、他のすべての主要なプレーヤーによる積極的な行動を促す。
▽気候中立、循環型で資源効率的かつ強靭な経済の構築、国際基準の労働者の権利の推進、重要なサプライチェーンの強靭性と持続可能性の向上に共に取り組む。エネルギー安全保障合同タスクフォースと米国・EUエネルギー協議会を通じて、エネルギー移行とエネルギー安全保障の取り組みを継続する。
▽クリーン産業における雇用、持続可能性、競争力の確保に向けた公共投資を行うとともに、研究協力も拡大する。クリーンエネルギー・インセンティブ対話などを通じ、クリーンエネルギーの導入を最大化するためオープンかつ透明な取り組みを進める。
▽重要鉱物およびバッテリーのサプライチェーン強化に向け、EU内で抽出・加工された鉱物が米国のインフレ抑制法におけるクリーン車両税額控除の要件にカウントできるようにすることを目的とした、重要鉱物協定の議論を引き続き進展させる。
▽オープンで自由で安全なデジタルエコシステムを促進するための取り組みを強化する。信頼できる人工知能(AI)とリスク管理に関するTTC共同ロードマップを通じて継続的な取り組みを行う。AI、量子、再生可能エネルギー、その他の主要分野の重要・新興技術に関する研究協力拡大に向け、双方の研究者が参加できる互恵的な研究ファンディングも検討する。今後のTTC会合に向けて量子関連の合意事項をまとめる。
▽消費者と企業を保護し、サイバー攻撃に対する脆弱性を軽減するために、高いサイバーセキュリティ標準を促進する。
▽世界貿易機関(WTO)加盟国がWTOの基本目的をより良く達成し、現代の責務に対処できるよう、WTO改革に向けて取り組む。
▽鉄鋼およびアルミニウムの貿易に関する協議を進展させる。
開放的な経済と世界的に公平な競争条件を維持しつつ、双方の経済の強靭性を強化し、ルールに基づく制度に▽支えられた経済安全保障上の利益を増進するため、引き続き協力する。
▽世界の平和と安全を損なう可能性のある先端技術を保護するため、経済安全保障ツールキットを開発する。
▽民主主義の価値、プロセス、安定に対する脅威である、外国による情報操作と干渉に対し、共通の原則に基づく協力を拡大する。
▽人的交流の増加に向け、全EU加盟国と米国間のビザなし渡航の実現に努める。学術交流を増やすため、EUはエラスムス・プラス・プログラムへの資金を増額する。また、EUおよび米国はフルブライト・シューマンプログラムおよびEU加盟国のすべてのフルブライト委員会に対する支援を増加させる。

[DW編集局]