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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2023/11/01
- 抄訳記事公開日:
- 2023/12/05
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ハリス副大統領が、AIの安全かつ責任ある利用を推進する新イニシアティブを発表
- 本文:
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(2023年11月1日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)
ハリス副大統領は、人工知能(AI)に関する主要な政策演説を行い、AI安全性に関するグローバル・サミットに出席するための訪英の一環として、AIの安全で責任ある利用を推進するための一連の新たな取り組みを発表した。これは10月30日にバイデン大統領が署名したAIの利用に関する大統領令に基づいている。バイデン政権は発足以来、AIがもたらす可能性を捉え、そのリスクを管理するために迅速に対応してきた。
国際的なルールと規範を強化するための世界的活動の一環として、副大統領は、透明性、プライバシー、説明責任、消費者保護など、民主的な価値と利益を反映したAIに関するルールと規範を、同盟国やパートナー国とともに確立することに尽力している。副大統領のロンドンでの「AI安全性グローバル・サミット(Global Summit on AI Safety)」への参加は、この活動をさらに前進させるものである。このロンドン訪問の一環として、副大統領は次の取り組みを発表した。
①米国AI安全研究所(United States AI Safety Institute:US AISI)
バイデン政権は商務省(DOC)を通じて、国立標準技術研究所(NIST)内に米国AI安全性研究所(US AISI)を設立する。US AISIは、AIの危険性を評価・軽減するためのガイドライン、ツール、ベンチマーク、ベストプラクティスを作成し、リスクを特定・軽減する評価を行うことで、NISTの「AIリスク管理フレームワーク(AI RMF)」を運用する。また、英国で計画されているUK AISIを含む国際的な類似機関との情報共有や研究協力を行い、市民社会、学界、産業界の外部専門家と連携する。②AI利用に関する政策指針案
バイデン政権は、行政管理予算局(OMB)を通じて、連邦政府によるAI利用に関する初の政策指針案をパブリックコメント用に公表する。この政策案は、「AI権利章典のための青写真(Blueprint for an AI Bill of Rights)」やNISTのAI RMFなどに基づくもので、連邦政府における責任あるAIイノベーションを推進し、透明性と説明責任を高め、連邦職員を保護し、AIの機密利用によるリスクを管理するための具体的なステップを概説している。③AIと自律性の責任ある軍事利用に関する政治宣言
米国は2月、「AIと自律性の責任ある軍事利用に関する政治宣言(Political Declaration on the Responsible Military Use of Artificial Intelligence and Autonomy)」を発表した。本宣言は、世界中の責任ある国家が、自国の軍事・防衛施設への自律的な機能やシステムの導入を含め、責任ある合法的な方法でAI能力の活用を図る、軍事AI能力の責任ある開発・配備・使用に関する規範を確立するものである。④公益のためのAIを推進する資金提供
ハリス副大統領の主導の下、AI分野において慈善団体と大胆な取り組みを推進する。これには、労働者、消費者、地域社会、歴史的に疎外されてきた人々の最善の利益のために設計され、利用されるAIを推進するための慈善寄付の構想が含まれている。上記以外にも、AIによる詐欺電話の検知とブロック、コンテンツ認証に関する国際規範に関して言及している。
[DW編集局]