[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/10/30
抄訳記事公開日:
2023/12/11

欧州委員会、日立レール社によるタレス社の地上輸送事業買収を条件付きで承認

Commission approves Hitachi Rail's acquisition of Thales' ground transportation business, subject to conditions

本文:

(2023年10月30日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は、EU合併規則に基づき、日立レール社によるタレス社の地上輸送事業(GTS)の買収提案を承認した。この承認は、日立レールが提示した改善提案の完全な遵守が条件となる。

日立レールとタレスGTSは、欧州経済領域(EEA)における鉄道幹線信号サービスの大手サプライヤーである。両社とも連動装置・自動列車保護沿線システムを供給している。日立レールは幹線鉄道や都市鉄道用の車両も製造・供給している。

■ 欧州委員会の審査

欧州委員会の審査では、当初通告されていた通り、この取引はフランス(インターロッキング、オーバーレイ、リシグナリングなど)とドイツ(オーバーレイ、リシグナリングなど)の鉄道幹線信号プロジェクトの市場において、競争が弱まり、価格の上昇や技術革新の減退につながることが示された。

この取引により、この市場での競合企業2社が統合され、統合後は非常に高い市場シェアを獲得することになる。

■ 改善策の提案

欧州委員会の懸念に対処するため、日立レールは、インターロッキング・オーバーレイ・リシグナリング・プロジェクトに関わるフランスとドイツにおける同社の幹線信号プラットフォームの売却を提案した。

この提案は、欧州委員会が指摘した競争上の懸念に完全に対処するものである。日立レールは、フランスとドイツの市場における両社の事業重複を排除することで、競争を維持する。

マーケット・テストに関して寄せられた受け取った肯定的な意見を受けて、欧州委員会は、当該提案によって修正されたこの取引はもはや競争上の懸念を引き起こすものではないと結論付けた。この決定は、提案の完全な遵守が条件となる。

英国の競争・市場局(CMA)もこの取引を審査しており、CMAの懸念に対処するため、日立レールは英国の幹線信号事業も売却することを約束した。

[DW編集局]