[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁(SGPI)
元記事公開日:
2023/11/08
抄訳記事公開日:
2023/12/12

フランス2030:新興感染症対策プロジェクト11件に対して約2,200万ユーロを拠出

France 2030 : 11 projets lauréats financés pour mieux comprendre et se préparer à répondre aux maladies infectieuses émergentes pour près de 22 millions d’euros

本文:

(2023年11月8日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)

シルヴィー・ルタイヨ高等教育・研究大臣、オレリアン・ルソー保健・予防大臣、ブルーノ・ボネルSGPI長官らは、政府の5か年投融資計画「フランス2030」の「新興感染症研究プログラム」(PEPR MIE)の受賞プロジェクト11件を発表した。基礎研究、対策のための開発研究、公衆衛生、人文社会科学に関わる学際的プロジェクトに約2,200万ユーロの資金が提供される。

国は、「フランス2030」の戦略軸の1つとしてSGPI管轄の医療イノベーション庁(AIS)が実施する「医療イノベーション2030」計画により、フランスをこの分野における欧州のリーダーにする狙いがある。

■「フランス2030」:新たな健康危機リスクに対する国の備えと対策を強化する戦略

2年以上前に発足したこの新興感染症(EID)および核・放射線・生物学的・化学的脅威への対策を加速する戦略は、感染症の出現・再出現の把握、予防、制御、そして意図的および偶発的なNRBCの脅威への対処を目的としている。

本戦略は、新たな重大な健康危機リスクに対する国の備えを強化し、「ワンヘルス」のアプローチにより欧州レベルと連携して、国レベルでの対応能力を涵養することを目的としている。

本戦略には、2つの補完的な優先研究プログラム(PEPR)がある。

国立保健医学研究所(INSERM)が、国立エイズ・ウイルス性肝炎研究機構の(ANRS)新興感染症部門を通じて主導する「新興感染症の優先研究プログラム(PEPR MIE)」は、感染症の出現を効果的に予防・制御する方法を取得し、人々を診断、保護、治療するための対策を開発するものであり、科学的根拠に基づき特、定の危機に対応した保健政策の実施を可能にする。

国立開発研究所(IRD)、農業開発研究国際協力センター(CIRAD)、国立農学・食料・環境研究所(INRAE)が主導する「人獣共通感染症の出現予防(PEPR PREZODE)」は、リスク低減と出現の早期発見のための革新的な戦略の策定に必要な知見を生み出し、強力なツールを開発するものであり、最初の成果が2024年初頭に予定されている。

■PEPR MIE:新興感染症に関する11件の研究プロジェクトを支援

本日、閣僚が発表したPEPR MIEには、新興感染症に関する基礎知識の取得を加速する部門1、イノベーションを促進し、新興感染症のための新しい治療法、ワクチン、その他の予防、診断、監視ツールを開発する部門2,および公共政策と社会が伝染病の危機に対応できるようにする部門3がある。審査対象の37件から国際審査員が評価して11件の研究プロジェクトが選ばれ、部門1、2、3の件数は、それぞれ7件、2件および2件である。各部門のプロジェクトは、以下の開発に焦点を当てている。

▽部門1:戦略の対象であるさまざまな病原体の感染メカニズムの詳細な研究、これらの病原体の伝染と循環のダイナミクスの理解、疾患の生物学的決定要因の同定、および新たな治療戦略の開発に関わる免疫経路の同定

▽部門2:標的病原体のより効果的な検出、防御に関わる革新的な診断方法と多成分抗ウイルス治療の開発

▽部門3:流行リスクへの備えと対策に関する国民へのコミュニケーションの重大性、およびワクチンなどの流行対策の受け入れとアクセス可能性に影響を与える要因の分析

なお、PEPR PREZODEの提案募集の受賞者は、2024年の第1四半期に発表される予定である。

[DW編集局]