[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/11/15
抄訳記事公開日:
2023/12/14

欧州委員会、深刻な労働力不足に対処する、スキルと人材に関する新たな措置を提案

Commission proposes new measures on skills and talent to help address critical labour shortages

本文:

(2023年11月15日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会はこのほど、EU域外の人材にとってEUをより魅力的なものとし、EU域内での流動性を促進するため、「スキルと人材のモビリティ(Skills and Talent Mobility)」パッケージの新たな取り組みを発表した。今回の措置には、EU内の雇用主と第三国の求職者をマッチングするための「EU人材プール(EU Talent Pool)」や、資格の認定と学習者のモビリティを促進する措置が含まれる。これらは、「欧州技能年(European Year of Skills)」の重要な成果である。

■ EU人材プール(EU域外からの採用を容易にする)

欧州委員会は、EU全体で人材が不足している職種へのEU域外の求職者の採用を促進するため、EU人材プールを設立することを提案している。これは革新的な措置であり、この種としては初のEUプラットフォームであり、国際的な人材を簡単かつ迅速に採用し、雇用主がより幅広いスキルと人材にアクセスできるようにするものである。なお、加盟国のEU人材プールへの参加は任意となっている。

EU人材プールはさらに、人材パートナーシップ(Talent Partnership)の実施を支援する。これは、EU域外諸国とのオーダーメイドのパートナーシップであり、就労や職業訓練のためのモビリティを提供する。人材パートナーシップの下でスキルを身に着けた求職者は、雇用主が確認できるよう、その資格を証明する人材パートナーシップ・パス(Talent Partnership Pass)を受け取ることになる。

■ 第三国で取得した資格のより簡単かつ迅速な認定

欧州委員会は、第三国国民の技能と資格の認定を簡素化し、迅速化するための一連の措置を提案している。これらの措置は、現行のEUの認定システムを最新化し、他の加盟国に移住するEU市民のために確立されたシステムに近づけることになる。

■ 学習モビリティの機会をすべての人に

この提案は、教育と職業訓練のあらゆる分野でモビリティを高めることを目的としている。加盟国に対し、学校教育、職業教育・訓練、特に実習から高等教育・成人教育、青少年交流に至るまで、EU域内の学習のモビリティをあらゆる教育訓練の課程の必須の要素とするよう求めている。

欧州委員会は、2030年に向けて新たな野心的目標を設定することを提案している。モビリティ経験者の割合を高等教育卒業生で少なくとも25%、機会の少ない学習者で少なくとも20%、職業学習者で少なくとも15%に増やすことである。この提案はまた、欧州教育圏の地政学的領域に沿って、第三国の人材の学習先としてのEUの魅力を促進するものである。

[DW編集局]