[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省(MESR)
- 元記事公開日:
- 2023/11/17
- 抄訳記事公開日:
- 2023/12/18
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ルタイヨMESR大臣とレスキュール産業担当大臣、博士号の社会経済的な認識の向上ミッションを立ち上げ
- 本文:
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(2023年11月17日付、高等教育・研究省(MESR)の標記発表の概要は以下のとおり)
2017年以来、産業の競争力強化は政府の優先事項である。その前提条件は技術的進歩であり、政府は研究と、それをイノベーションや生産に転換する能力に大規模な投資を行っている。これらの取り組みは、10年間で250億ユーロを研究に追加投資する複数年研究計画法(研究中期計画)と、経済の変革を加速するためにさらに540億ユーロを動員する5か年投融資計画「フランス2030」によって強力に支えられている。
この研究の卓越性は、分析と創造の力の面で大きな潜在力を有する博士によって強化されるものである。
世界各国、特にドイツなどの欧州では、博士は高く評価されている一方で、フランスの雇用市場における博士の評価は低迷している。フランスでは毎年14,000人の博士号取得者が育成されているが、そのうち民間部門で雇用されるのはわずか39%、研究開発に従事するのは18%に過ぎない。
かつてない速度で技術的な問題が深刻化しているとき、特にエコロジカルな転換の目標を達成する上で博士号の強みが十分に生かされていないことは、博士号取得者にとっても企業にとっても残念なことである。
この問題に関しては、社会経済面で博士号の認識の向上を図り、企業における博士号取得者の割合を増やすという課題と、産業の科学技術力を強化するという2つの課題がある。
博士人材支援を担うファンディング機関「全国技術研究協会」(ANRT)が主催するセミナーにおいて、シルヴィー・ルタイヨMESR大臣とロラン・レスキュール産業担当大臣は、博士課程大学全国ネットワークのシルヴィ・ポミエ会長およびテック・エライア特定投資ファンドのアソシエイトディレクターであるザビエル・ラザルス氏に、以下の事を実行するために、来年の春までに既存の対策を強化し、新たな対策を提案するというミッションを託した。
▽企業の研究者に占める博士号取得者の割合と、博士論文に取り組む技術者の割合を増やす
▽博士号取得者の民間部門へのより迅速かつ円滑な移行のために、博士号取得者の専門的キャリア形成を支援する
▽民間セクターにおいて、博士号取得者が占める位置付けについての認識をさらに高める
▽博士号取得者の能力・養成が、最終的に経済と産業に十分な利益をもたらすようにするこのミッションの成果は、複数年研究計画法(研究中期計画)の枠組みの中で行われる、博士号の魅力向上と、その取得支援に関わる以下の措置を補強することとなる。
▽2024年1月、最低月額報酬を2,100ユーロに引き上げることで、博士号取得者の報酬を増額する
▽2021年以降1,100件が新たに締結されている博士号契約を、2024年には340件追加する
▽博士課程学生の雇用支援制度「企業研究協約制度」(CIFRE契約)を受ける学生の70%が、民間部門に就職し、キャリアを形成しており、2021年から2027年までにCIFRE契約の学生数を50%増加させるこの事業は、研究成果の社会への還元を引き続き強化することに貢献するものである。
[DW編集局]