（2023年11月13日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり

本日、バイデン大統領は、インドネシアのジョコ大統領をワシントンに迎え、民主主義と多元主義という両国の共通の価値観と、ルールに基づく国際秩序への共通のコミットメントを認識し、両国の関係を包括的戦略パートナーシップに高めることを約束した。同パートナーシップのもとで、両国は以下の活動に取り組んでいく予定である。

①イノベーション、持続可能な開発、公衆衛生、DXに基づく包括的経済成長の促進
両国は、米国・インドネシア貿易投資枠組み協定（TIFA）などのプラットフォームを通じて、二国間貿易を促進し、経済政策に関する協力を深めるために協力する予定である。米国は、インドネシアが経済協力開発機構（OECD）の正式加盟に向けた加盟プロセスを開始することへの支持を表明する。両国は、世界貿易機関（WTO）を中核とする多国間貿易システムを引き続き強化することを誓約する。 両国は、重要鉱物のサプライチェーン全体の重要性を認識し、その維持に努め、また、安全で強靭な半導体サプライチェーンを構築するために協力する。

②クリーンエネルギーへの転換
両国は、気候危機が存亡に関わる脅威であることを認識し、気温上昇を抑制するための緊急行動を追求することを再確認する。両国は、200億ドルの「公正なエネルギー移行パートナーシップ（Just Energy Transition Partnership：JETP）」に関する緊密な協力を継続する。また、JETPの目標を支援するため、両国は、持続可能なエネルギーと鉱物資源の開発に関する覚書を発表した。

③人的交流・文化交流・観光の推進
両国は、インドネシアにおける米国の平和部隊ボランティアの数をパンデミック以前のレベルに戻し、フルブライト賞受賞者の数を増やすことを通じて、人的交流を活発化させる。 さらに、両国は多様な人的交流プログラムを介して、教育、職業、文化面での交流を拡大することを約束する。また、両国は、STEM分野と、女性と若者に特に重点を置いた起業家精神のコラボレーションを促進するためのさらなる協力を推進する。

④インド太平洋地域および世界の平和と安定
米国は、インドネシアのASEAN議長国としての成功を祝し、インド太平洋におけるインドネシアのリーダーシップへの支持を表明した。イノドネシアは、今年のAPECフォーラムのホスト国としての米国の役割を歓迎し、両国は、米国のAPEC2023ホスト年の成功を期待する。また、両国は、南シナ海における航行および上空飛行の自由、国連海洋法条約（United Nations Convention on the Law of the Sea：UNCLOS）に従う排他的経済水域および大陸棚に対する沿岸国の主権的権利と管轄権の尊重を支持する。

⑤防衛協力の深化
両国は、新たな防衛協力協定を通じて両国の防衛パートナーシップを強化する。両国は、安全保障対話および二国間防衛対話の定期的な開催や、非軍事的な利害関係者との関与を含め、安全保障上の課題に対処するための実務的な協力を強化する。

⑥長期的パートナーシップの醸成
両国は、将来に向けて、あらゆるレベルでの定期的な交流や、米国務長官とインドネシア外務大臣との間の包括的戦略対話を含む対話メカニズムを改善し、関係強化を継続する。 両国は、両国が加盟する国際条約、両国の二国間協定、および両国それぞれの法律に従い、相手国がこの高まった関係を支える外交・領事施設を適切に配置・管理できるよう確保する。

[DW編集局]