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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 首相府投資総務庁(SGPI)
- 元記事公開日:
- 2023/11/27
- 抄訳記事公開日:
- 2023/12/25
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AIS、ロードマップと12の優先プロジェクトを発表
Agence de l'innovation en santé : la feuille de route et les douze travaux prioritaires présentés
- 本文:
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(2023年11月27日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)
SGPI管轄にある医療イノベーション庁(AIS)が、2023~2025年のロードマップを発表した。
このロードマップには、今年から2025年までの期間で12の優先プロジェクトが掲げられ、特に「競争力拠点」(フランス版産業クラスター)などと協力する企業への支援、研究成果の企業への移転の奨励に関わるワーキンググループなどの組織化などが含まれる。
AISの全ての活動を、「治療が全て」という原則から脱却させ、より予防的、予見的で、個別化され、エビデンスに基づき、患者の経験をより重視した参加型ケアを提供する医療システムに転換させる。
AISは、2021年6月、大統領が示した「医療イノベーション計画2030」の一環として、SGPIの管轄下で2022年秋に発足。健康や医療機関に関わるイノベーションの促進、その成果への迅速なアクセスの確保を目的とした施策の運営と調整に当たっている。
12の優先プロジェクトは、次の5つの軸に沿って構成される。
▽革新的治療薬(MTI)、未来の手術室、臓器チップを視野に入れた研究の立ち上げなど公共政策を方向付けるイノベーションと医療ニーズを予測する。
▽アイデアから産業プロジェクト、患者に至るまでのイノベーション・プロセスを促進、合理化、簡素化する。
▽毎年約100件の革新的なプロジェクトを選定し、医療イノベーション・エコシステムの構築などプロジェクトのあらゆる段階で革新的なプロジェクト開発者を支援する。
▽優先分野(新興感染症、生物療法と生物製剤、デジタルヘルス、革新的な医療機器)への投資、脱炭素化・エコロジー転換の推進、世界クラスのビオクラスター5カ所および大学病院拠点(IHU)12か所の新設、健康生物学エクセレンス教授職の人材招致により、フランスを、欧州の革新的かつ主権的な医療主導国とする。
▽国民の健康に好影響をもたらす重大な変革の基盤として予防を組み立てる。12の優先プロジェクトの概要は以下のとおり。
目標1:省庁間で共有する構造的なモニタリング・ツールの配備
目標2:見通しをもった先行研究テーマの特定、立ち上げ
目標3:先行する手段、結果、教訓の普及と、将来の課題に対する関係者の連携の確保
目標4:医療イノベーションを促進するために必要なシステム改革の特定
目標5:研究と技術移転の効果とインパクトの強化(研究部門間の円滑な連携の確保とその障壁の除去に関わる革新的な枠組みの提案など)
目標6:臨床研究の利点の向上に必要な変革の促進
目標7:患者と専門家の利益となるイノベーションへの迅速かつ確実なアクセスの確保(イノベーションの患者への早期提供など)
目標8:公共調達の活用によるイノベーションの普及の促進(革新的な事業をより容易に市場浸透させる条件の整備など)
目標9:革新的プロジェクトの提案者の進路指導と支援(毎年約100の革新的プロジェクトの選定、認定、支援など)
目標10:柔軟で分かりやすい「イノベーターの道」の定義と実施
目標11:保健衛生上の主権を確保する4つの優先セクターの強化(医療産業への継続的な投資など)
目標12:予防を基本とする医療システムに資するイノベーションの動員なおAISは2023年、各地で研究者、医療従事者、企業家などを集めた「医療イノベーションのツール・ド・フランス」を開催している。
[DW編集局]