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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 首相府投資総務庁(SGPI)
- 元記事公開日:
- 2023/11/27
- 抄訳記事公開日:
- 2024/01/05
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未来の原子力:「革新的原子炉」計画の新たな受賞プロジェクト6件を発表
- 本文:
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(2023年11月27日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)
11月28日から30日まで首都圏ヴィルパントで開催された「世界原子力展示会」に際して、アニエス・パニエ=リュナシェエネルギー移行大臣は、「革新的原子炉」の提案募集に対する受賞プロジェクト6件を発表した。
政府の5か年投融資計画「フランス2030」における原子力関連活動は、約10億ユーロを投資して政府の方針に直結する研究開発、イノベーション、人材育成に挑戦している。
▽革新的原子炉、小型モジュール原子炉(SMR)では、SMRプロジェクトNUWARD(小型モジュール型原子炉共同プロジェクト)の開発を支援し、競争力の改善、安全性の向上を目指している。脱炭素化に向けて同等の能力の火力発電所(石炭とガス)を代替し得るものである。2026年にかけて詳細設計を実施し、2030年には建設を開始する。
▽核分裂・核融合分野では、破壊的な原子炉概念を支援し、電気、熱、水素の複合生産、核燃料サイクルの完結、放射性廃棄物の管理の改善、競争力の改善や安全性・セキュリティの向上など画期的なイノベーションの導入を目指す。
▽「革新的原子炉」の提案募集に対する新たな6つの受賞プロジェクト
すでに実施された「革新的原子炉」の募集に15件の申請があり、本年6月9日には、XAMR (eXtrasmall Advanced Modular Reactor)」と「Newcleo – LFR-30鉛高速炉(30 MWe)」の2つのプロジェクトが選ばれ、2,490 万ユーロの支援を受けた。前者は、第4世代のマイクロ原子力発電炉の開発であり、後者は、鉛を伝熱流体とする革新的な第4世代高速中性子炉(鉛高速炉(LFR))の開発である。本年6月から11月にかけての提案募集では、新たに6つの受賞プロジェクトが選定され、7,720万ユーロが支援されることとなった。
プロジェクトの概要は以下のとおりである。(丸かっこ内は実施主体となる法人名)
▽GTA(原子熱発生装置)(ジミーエナジーSAS):600°Cで炭素フリーの産業熱を生産する約15MW熱出力の革新的な第4世代熱スペクトルマイクロリアクターの開発、商業化
▽RF01(ルネッサンス・フュージョンSAS):重水素-三重水素核融合反応に基づくモジュール式でコンパクトな1GW電気核融合炉「ステラレータ」の開発、商業化
▽CALOGENA(カロジェナ):約70MWの熱放射能モジュール式熱媒介原子炉の開発、建設、運転と、炭素フリーの熱の都市への供給
▽HEXANA(ヘキサナ):ナトリウム冷却材を内蔵した高速中性子炉システムの設計と、400MW熱出力モジュール式原子炉2基とエネルギー貯蔵装置を組み合わせた、500°Cの熱と電力の供給
▽ONE(オトレラ・ニュークリア・エナジー):総出力110MWeのループ構造を持つナトリウム冷却材高速中性子炉2基の設計、開発、建設と、加圧水型原子炉の使用済み燃料集合体などのリサイクルの実現
▽BLUE CAPSULE(ブルーカプセル):ナトリウム冷却材をベースにした700MW熱出力の高温原子炉の開発上記のほか、「革新的原子炉」の提案募集で申請されているプロジェクトについては、引き続き審査が行われている。
さらに、放射性物質と廃棄物の管理、深地層処分の代替案の探索のための革新的なソリューションの開発に関しては、一昨年7月の提案募集以来、40件のプロジェクトが1億3,490万ユーロで支援され、また、マルチサイクル加圧水型原子炉(MRREP)の実現可能性に関しては、1,900万ユーロの支援を受けてオラノが主導して進めている。
[DW編集局]