（2023年11月25日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり）

EUとカナダは、長年にわたって緊密なパートナーであり、ロシアのウクライナに対する侵略戦争、気候変動、生物多様性の喪失、環境汚染対策、新興技術の出現などの共通の優先課題で協力してきた。このほど行われたEU・カナダ首脳会談の結果、一連の野心的な両者間協定が発表された。

EUとカナダは、カナダがEUの研究・イノベーション・プログラムHorizon Europeの準加盟国となる交渉を終えた。カナダの加盟により、カナダの研究者はEUの研究者と同様にプログラムの恩恵を受けることができるようになる。

EU・カナダグリーンアライアンス（EU – Canada Green Alliance）も締結された。このパートナーシップは、「欧州グリーンディール」に基づいて確立された二国間取り組みの最も包括的な形態であり、気候、エネルギー、環境、海洋、持続可能なモビリティなどに関する協力を強化する。

さらに、フォン・デア・ライエン欧州委員長は、トルドー首相がCOP26で立ち上げた「グローバル炭素価格設定チャレンジ（Global Carbon Pricing Challenge）」に、EUが参加することを発表した。この取り組みは、世界の排出量に占める炭素価格の適用範囲を、2030年までに60%に引き上げることを目指すものである。

両首脳はまた、グリーン移行の達成に貢献できる有望なクリーン技術である水素について、EUとカナダの間で市場を発展させることを目的とした「欧州委員会・カナダ水素行動計画（European Commission – Canada Hydrogen Action Plan）」を発表した。

首脳らはまた、価値観に基づいたデジタル変革を促進するため、「EU・カナダ・デジタルパートナーシップ（EU – Canada Digital Partnership）」締結した。これにより、人工知能（AI）に関する協力が強化され、関連するリスクを軽減しながらその利益を享受することを目指す。また、サイバーセキュリティ、オンライン・プラットフォーム、デジタルID、デジタル・スキルに関する協力も深める。

双方は、プライバシーとデータ保護基準を十分に尊重しながら、テロや組織犯罪との戦いを促進する乗客予約記録（PNR）に関する合意を歓迎した。

[DW編集局]