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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ研究振興協会(DFG)
- 元記事公開日:
- 2023/11/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/01/09
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DFG、連邦憲法裁判所による研究の自由の保護を歓迎
DFG begrüßt Stärkung der Forschungsfreiheit durch Bundesverfassungsgericht
- 本文:
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(2023年 11月8日付、ドイツ研究振興協会(DFG)による標記発表の概要は以下のとおり)
助成を受けた心理学者の裁判における最近の判決は、機密を保持しつつ収集された研究データの保護に関する重要な基準となる。DFGは、ドイツ最大の研究助成機関であり、科学の自治の中心的機関であることから、研究の自由の重要性を強調する連邦憲法裁判所(BVerfG)の最近の判決を歓迎している。
BVerfGの2023年9月25日の判決(1BvR2219/20)は、機密を保持の原則に基づいて収集された研究データの保護を扱っている。DFGの助成を受けてイスラム過激派を調査するプロジェクトにおいて、ミュンヒェン検察庁がテープ録音と面接記録を押収したことに対して、心理学教授が提出した憲法上の申し立てに関するものである。受刑者たちは、このような研究プロジェクトでは慣例的かつ不可欠なこととして、面接時の守秘義務を約束されていた。
BVerfGは、その判決の中で、押収の合憲性について強い疑念を表明した。これは、過去の法律や公的な論評では、憲法上の申し立て自体が受理されないとされていたため、注目に値するものである。BVerfGは、研究データは基本的には押収禁止の対象とはならないとしたものの、本件では、憲法で保障されている研究の自由の侵害と重大性に鑑み、必要なバランスのとれた取り組みが行われなかった点で、誤っているとした。
本件では、BVerfGは、機密データの収集は保護された科学的な方法の一部であり、研究の自由の保護の範囲に含まれることを明確にした。
DFGのカーチャ・ベッカー(Prof. Dr. Katja Becker)会長は、次のようにコメントした:「BVerfGは、この判決により重要かつ画期的な基準を設けた。研究者は長い間、研究データの押収要件の法的な規定が不十分であることに不満を抱いてきたが、この決定により、今後の事件で法執行機関が遵守しなければならない基本要件が設定され、重要な示唆が与えられた」 [DW編集局]