[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2023/12/05
- 抄訳記事公開日:
- 2024/01/17
-
工学的生物学に関する国家ビジョン
- 本文:
-
(2023年12月5日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)
ここに示される政府のビジョンは、英国が幅広く豊かな工学的生物学のエコシステムを構築し、この技術がもたらす多くの機会を安全に育成し、商業化することである。
工学的生物学は、自然界に存在する生物、プロセス、メカニズムの可能性を活用するものである。政府は工学的生物学を、さまざまな分野で変革を起したり、既存の製品をより持続可能な方法で生産したりできる、生物学由来の製品やサービスの設計、規模拡大、商業化、と定義している。合成生物学のツールを活用して、バイオエコノミーに新たな革新の波をもたらす。
政府は、以下の6つの優先課題に重点を置いている。
・世界をリードする研究開発
イノベーションのブレークスルーと新製品の創出を可能にする重要課題と基礎研究について、世界的水準の公共研究開発投資を行う。今後10年間で20億ポンドを工学的生物学に投資する。・基盤構造
工学的生物学のイノベーションの初期段階とそのスケールアップの両方のコストを削減するため、基盤構造に投資する。スタートアップとスケールアップを支援するための施設の計画を策定する。・人材とスキル
科学的、技術的、起業家的なスキルを持つ多様な人材を国内で育成、確保し、学術界や産業界の需要に応える。新たなディスカバリー・フェローシップ(Discovery Fellowship)などの奨励制度と博士課程教育に投資していく。・規制と規格
政府全体およびすべての関連規制機関と協力し、英国の規制環境が工学的生物学由来製品の市場参入を後押しするよう取り組む。新しい工学的生物学規制当局のネットワーク(Engineering Biology Regulators’ Network)を活用し、政府は一連の規制サンドボックスを導入し、これを実現するための道筋を作る。・より広範な経済への導入
工学的生物学の可能性について十分な情報を持つ投資家や顧客、そして潜在的な顧客の優先事項を理解する企業を増やす。最も有望な工学的生物学企業の紹介イベントを開催する。政府部門のチームは、製品とサービスの導入を確実にするため、部門横断で工学的生物学の啓蒙活動を行う。・責任ある信頼できるイノベーション
2030年までに英国を責任あるイノベーションの世界的リーダーにする。政府は、この技術の利点、課題、リスクに関するオープンな対話を主導し、責任ある研究・イノベーションへの新たな取り組みを奨励する。多国間フォーラムなどを通じて、同盟国やパートナーと協力して国際的な規範や基準を形成する。 [DW編集局]