[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2023/11/22
抄訳記事公開日:
2024/01/18

連邦政府資金による研究のオープンアクセス出版のための資金調達メカニズムに関する報告書

Report to Congress on Financing Mechanisms For Open Access Publishing of Federally Funded Research

本文:

(2023年11月22日付、大統領府科学技術政策局(OSTP)の標記発表の概要は以下のとおり)

OSTPは、2023 年包括歳出法(Consolidated Appropriations Act 2023)に付随する委員会報告書(Committee Report)において定められた、連邦政府の資金提供による研究のオープンアクセス出版のための資金調達メカニズムに関する要求事項に従い、報告書を連邦議会に提出した。本報告書によると、委員会はOSTPによる取組みの進展を認める一方、連邦政府各省庁を横断してオープンアクセス政策の実行を継続し、連邦政府が資金提供した研究成果へのアクセスをさらに強化するよう奨励している。同時に、委員会は、オープンアクセス出版に資金を提供する仕組みが、知識の生成や共有の障壁となる可能性について懸念を表明し、この問題に関するデータが限られていると指摘した。

オープンアクセス出版の多様なモデルは読者の側の利便性を増してきている。OSTPは、2022年の一般公開ガイダンスの中で、経済的手段や特権的アクセスが、米国民が受けるべき連邦政府資金による研究成果の前提条件であってはならないとしている。連邦政府のパブリックアクセス政策の目的は、連邦政府の投資が、米国の納税者によって支援された知識の公開に向けられ、連邦政府が支援する研究の恩恵が米国全体にもたらされるようにすることである。

一方、著者の側では知識のすみやかな伝搬が可能となったが、出版に伴うコストについては概して不透明である。オープンアクセス化が進む中で出版社は様々な資金調達の仕組みを試験的に導入してきており、特に論文掲載料や転換契約については本報告書でも取り上げている。このように学術コミュニケーションの世界的な状況が発展し続ける中、OSTPは研究システムの健全性、活力、多様性、公平性を確保することに引き続き尽力する。

[DW編集局]