[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/12/13
- 抄訳記事公開日:
- 2024/01/22
-
欧州の国際競争力強化のための科学分野での人工知能(AI)の活用
- 本文:
-
(2023年12月13日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会はこのほど、科学とイノベーションにおけるAIの役割と可能性に関する政策提言を発表した。
AIは、研究のあらゆる場面で状況を一変しつつある。AIは、新たな可能性を開き、科学者の発見を加速し、複雑な問題を解決し、地球規模の課題に対処することを可能にする。同文書は、科学分野におけるAIの導入を加速・し、技術の潜在力を活用してブレークスルーを促し、イノベーションを創出し、経済成長を促進するため、「欧州研究圏(ERA)」の政策を調整することを提唱している。これは、既存の研究・イノベーション(R&I)およびAIに関する政策、特に現在欧州議会および欧州理事会で議論されているAI法に基づき、AIが持つ変革の可能性を科学に適用する方法を提案するものである。
政策提言では、次の領域を強調している。
・科学分野におけるAIの導入に対する障壁の軽減
・科学分野におけるAIのためのデータとコンピューティングのエコシステムの強化
・AIと科学の融合のための戦略的R&I投資の特定
・AIが研究者のキャリアに与える影響の監視
・科学におけるAI関連の倫理的課題への対処
・AI主導の科学に対する社会の信頼を維持するためのコミュニケーション、監視、評価科学におけるAIの導入加速政策は、EUのAI戦略、Iに関する統括計画(Coordinated Plan on AI)および欧州研究圏(ERA)によって設定された枠組みに組み込まれる。
欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、2023年の一般教書演説で、AIがもたらす潜在的な社会的便益を強調する一方で、そのリスクも認めている。この二面性は、EUのAI戦略の2つの柱に反映されている。「信頼できるAI(Trustworthy AI)」は、特に基本的権利に関する重要な課題に対処する一方、「AIの卓越性(Excellence in AI)」は、EUが確実にAIの恩恵を受けられるようにするものであり、導入を成功させるために必要な投資と環境に焦点を当てている。
2021年4月に欧州委員会が提案したAI法(AI Act,)は、AIシステムの開発、導入、利用のための規制枠組みの確立を目的としており、AIを管理する世界初の法律となる予定である。
[DW編集局]