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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/01/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/02/05
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欧州委員会、ノースボルト社の電気自動車用バッテリー生産工場建設を支援する9億200万ユーロのドイツの補助金を承認
- 本文:
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(2024年1月8日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は、「グリーンディール産業計画(Green Deal Industrial Plan)」に沿って、ネットゼロ経済への移行を促進するべく、ノースボルト社の電気自動車用(EV)用バッテリー生産工場の建設を支援する9億200万ユーロのドイツの補助金を承認した。この支援は、2023年3月9日に欧州委員会によって採択され同年11月20日に修正された、グリーン移行の加速と燃料依存度の低減の鍵となる分野のさまざまなプロジェクトを支援するための「国家補助に関する暫定危機・移行枠組み(State aid Temporary Crisis and Transition Framework)」に基づいて承認された。
◼ ドイツの措置
ドイツは、同枠組みに基づき、欧州委員会に対し、ハイデ市に先進的で高効率のEV用バッテリーの生産工場を建設するノースボルト社を支援する9億200万ユーロの補助金を通知した。工場の年間生産能力は60GWhになる。これは、バッテリーの容量にもよるが、年間80万台から100万台のEVへの供給に相当する。工場は2026年に生産を開始し、2029年にフル生産能力に達する予定である。
この措置では、7億ユーロの直接助成金と2億200万ユーロの保証という形で行われる。この補助金がなければ、ノースボルト社は、特に「インフレ抑制法(IRA)」に基づいて支援が提供されている米国に工場を設立することになったであろう。
欧州委員会は、ドイツの措置が欧州機能条約(TFEU)第107条(3)(c)および暫定危機・移行枠組み、特にネットゼロ経済への移行に戦略的に重要な分野への投資加速を支援する第2.8項に規定された条件に沿ったものであると判断した。
より具体的には、欧州委員会は以下のように判断している。
・バッテリーの生産に関するものであるため、ネットゼロ経済への移行にとって戦略的に重要な投資プロジェクトを対象としている。さらに、ドイツの地域支援マップで定義されている経済的に脆弱な地域にある都市ハイデで実施される。援助がなければ欧州経済領域(EEA)外に建設されていたであろうことから、この補助にはインセンティブ効果がある。
・同社は、世界で最も環境に優しいバッテリーを構築するという目標を掲げており、耐用年数終了時のリサイクルを含む生産レベルで測定した場合、他社よりもCO2排出量が大幅に少ない。
・EU内の競争と取引に与える影響は限定的である。特に、バッテリー生産工場の設立を確実にすることが必要かつ適切であり、それが市場の過剰生産能力につながることはない。
・補助は均衡のとれたものであり、欧州での投資を促すために必要最小限なものである。
・補助は、遅くとも2025年12月31日までに実行される予定である。 [DW編集局]