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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/01/16
- 抄訳記事公開日:
- 2024/02/22
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欧州CARIOQAプロジェクト、量子センシングの革命を始動
European CARIOQA project kicks off A quantum-sensing revolution in the making
- 本文:
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(2024年1月16日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
本日、CARIOQAプロジェクトのパートナーである仏国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、Airbus Defence & Space社、GMV社、FORTH/PRAXI社、および欧州委員会がプロジェクトのフェーズAを正式に開始した。
これは、冷却原子を使用して加速度を測定できる量子センサーを宇宙空間で評価する技術実証ミッションの開発において、重要なマイルストーンとなる。このような原子加速器は欧州にとって大きな賭けとなっており、フランスとドイツがこの分野の主要プレーヤーとなっている。
将来、欧州が宇宙での運用能力を展開するためには、まず宇宙で評価された量子加速度計をテストする必要がある。これは、宇宙応用の厳しい性能要件を考慮すると、非常に大きなチャレンジである。この目的を達成するため、CARIOQAミッションは、2030年までに最初の原子加速度計を衛星に搭載して飛行・試験することを目指している。このミッションでは、機器を機能させるために必要な構成要素を検証することにより、機器の技術的準備レベルを向上させる。この新技術は、地球の重力場の測定や、水循環や地震のリスクの監視において大きな可能性を秘めている。将来の宇宙測地ミッションでは、水文学、海洋学、氷河学の科学的知識が進歩し、水循環と地球の内部構造についてのより深い知見が得られるという利点がある。最終的に、宇宙応用は、持続可能な資源管理に役立つだけでなく、気候変動をより深く理解することで自然災害を軽減することにもつながる。CARIOQAはまた、特に弱い等価原理をテストする機能を通じて、基礎物理学研究における今後の応用を促進する。
Horizon Europeを通じた欧州委員会の多大な貢献を得て展開されているCARIOQAは、量子センサーにおけるフランスとドイツの卓越性を活用した技術スピンオフにより、将来のフランス、ドイツ、欧州の新たな産業となることが期待されている。
[DW編集局]