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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防科学技術研究所(Dstl)
- 元記事公開日:
- 2024/01/09
- 抄訳記事公開日:
- 2024/02/22
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戦場におけるレーザー
- 本文:
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(2024年1月9日付、国防科学・技術研究所(Dstl)の標記発表の概要は以下のとおり)
レーザー技術は、製造業から医療に至るまで、さまざまな業界での応用が見出されている。レーザーの台頭により、防衛のためのレーザー検出システムの必要性も高まっている。
技術の進歩は常に戦闘方法の進化を推進してきた。そのため、現代の戦闘空間におけるレーザーの使用は、この進歩の典型的な例である。
英国の科学者は、レーザーなどの専門技術について研究し、アドバイスを提供して、そのリスクと機会を理解し、英国が現在および将来にわたって適切な能力を確保できるようにする任務を負っている。
これらの研究は、防衛や安全保障以外にも応用できることが多く、産業界や学術パートナーとの協力を通じて英国経済を後押しするだけでなく、時には我々のイノベーションが新たなビジネスの基礎となり、英国に雇用と富をもたらすこともある。
■レーザーの背景
レーザー検出とは、レーザー放射またはビームを識別、測定、分析するプロセスを指す。これには、レーザーの存在、強度、特性を検出するための特殊なデバイスと技術が使用される。
すべてのレーザーが危険というわけではない。たとえば、携帯電話の顔認識システム、駐車場のセンサー、ゴルフの距離計などにレーザーが使われている。しかし戦場では、レーザーはターゲットを識別し、狙いを定め、攻撃するために使用される。したがって、特に混雑して雑然とした都市部の戦闘地域では、無害なレーザーと命を脅かすレーザーとを区別することは困難である。
レーザーにはさまざまな特性と識別可能な特徴(signature)があるため、適切なレーザー検出システムを使用すれば、何があなたをターゲットにしているか、それが致死的かどうか、どこから照射されているかを知ることができる。
既存のレーザー検出システムは、かさばり、高価で、軍事プラットフォームへの統合は難しい場合がある。軍事プラットフォームに搭載することを目的とするシステムは、当初から計画の一部として、あるいは、完全な試験・統合を確実に行うグレードアップ計画または機能強化計画の一部として開発する必要がある。このようなグレードアップや調達サイクルには数年、場合によっては数十年かかる場合がある。
安価な既製品コンポーネントをベースとし、車両や兵士に即座に装備・装着できるシステムは、破壊的な能力強化をもたらすことになる。それがまさにDstl ポートンダウンの2人の科学者の発明である。
■革新的なビジネスの創出
Dstlの光学分野の研究者であるクリス氏とショーン氏は、革新的なセンシング製品には、以下のことが必要だと感じていた。
・プラットフォームやシステムの制約がない
・容易に導入できる
・最小限の訓練で済むそこで両氏は2020年に、Ploughshare社からの投資を受けてSentinel Photonics社を設立した。Ploughshare社は Dstlが全額出資しており、産業界と連携してライセンス契約の締結や、スピンアウト企業の設立を行い、国防省のすべての部門によるイノベーションさらに効果的なものにすることを目的としている。Sentinel Photonics社の人体搭載型レーザー脅威検出技術は、今日の軍隊や戦場にとって依然として重要な役割を担っている人員の部隊への導入・配備が容易である。
[DW編集局]