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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ工学アカデミー(acatech)
- 元記事公開日:
- 2024/01/29
- 抄訳記事公開日:
- 2024/03/08
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水素戦略に関する国際分析:高い野心と大きな価格差
- 本文:
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(2024年1月29日付、ドイツ工学アカデミー(acatech)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツ工学アカデミー(acatech)とドイツ化学および生命工学協会(DECHEMA)のプロジェクト「水素コンパス(Wasserstoff-Kompass)」のさらなる国別分析により、43の国と地域の水素戦略に関する国際的な比較がなされた。今回の更新では、ドイツの水素戦略の見直しも考慮されている。欧州の国・地域だけでも、「欧州2020戦略」の想定をはるかに上回る52ギガワットの発電容量が計画されている。将来的に想定されている水素1kgの価格は、0.60ユーロ(インド)から4.50ユーロ(韓国)まで大きく異なっている。
2022年12月に発表された国際分析に、今回は南米、アフリカ、アジアなどの21か国が追加された。その中には、ブラジル、コロンビア、南アフリカ、ナミビア、アラブ首長国連邦、トルコ、インド、ニュージーランドなどが含まれ、これらはすべて将来の水素輸出国として自らを位置づけており、25の国と地域が水素の輸出を計画している。一方、欧州諸国、日本、シンガポールなど、9つの国と地域が水素を輸入する計画である。
半数以上の国々が、再生可能エネルギーによる発電能力の明確な目標を定めている。「欧州戦略」では、合計で約52ギガワット(GW)の目標を掲げており、これは、2030年までに40GWとしていた欧州2020戦略の目標を上回っている。チリ(25GW)とインド(25-60GW)は、特に高い目標を設定している。全体として、定量的データを含む25の戦略文書の能力目標の合計は、108~151GWである。
将来の水素価格は、多くの関係者にとって、安全保障計画上、重要であるが、すべての戦略にそれが含まれているわけではない。また、各国が想定している価格は、kg当たり0.60ユーロ(インド)から4.50ユーロ(韓国)と幅があるが、用途によっても異なる。
今回の報告書には、各国の簡単な戦略プロフィールも記されており、国や地域別の目標や、水素の製造法、使用目的などが一目でわかるようになっている。
[DW編集局]