[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2023/12/11
抄訳記事公開日:
2024/03/11

論文分析から見るオープンサイエンスの台頭

The Importance of Providing Open Science

本文:

(2023年12月11日付、国家科学審議会(National Science Board:NSB)の標記発表の概要は以下のとおり)

NSBは本日、2024年における米国の科学と工学の現状に関する一連の報告書『科学工学指標(Science and Engineering Indicator)」の一部として、「米国の動向と国際比較」を発表した。本報告書は、NSBの指導の下、国立科学財団(NSF)の国立科学技術統計センター(NCSES)が作成したものである。

本報告書によれば、2003年から2022年にかけて、無料で利用できる科学論文は7倍以上に増加し、その影響力は有料の論文に比べて増大した。公開ステータスが判明している論文のうち、オープンアクセスジャーナルへの掲載論文が占める割合は、2003年の23%から2022年の51%に増えた。大統領府科学技術局(OSTP)は、連邦政府機関の資金提供による研究については成果の一般公開を義務づける方針を掲げており、オープンアクセスへの移行は着実に進んでいる。しかし、論文著者が論文掲載料を支払わなければならず大きな負担となる場合もある。これは研究成果へのアクセスに関するコスト負担が、読者や図書館から著者へと移っている状況とみることもできる。

本報告書では、中国が2015年に初めて米国を論文数で抜き去り、現在では米国の論文数の2倍に近づいていること、さらに、中国の被引用論文数の伸びも、2020年現在、全体の伸びを上回っていることを明らかにしている。また、科学・工学論文における国際共同研究は、2012年の19%から2022年には23%に急増しており、国際共著論文数に関して、英国は2003年の37%から2022年には67%に、また、ドイツ、米国、日本はそれぞれ39%から56%、23%から40%、19%から32%に増加していることが明らかにされている。

[DW編集局]