[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国政府網
元記事公開日:
2023/12/16
抄訳記事公開日:
2024/03/12

中国・大学院教育における学術学位と専門職学位の分類整備 に関する意見を発表 

教育部印发《关于深入推进学术学位与专业学位研究生教育分类发展的意见》——两类学位分类发展同等重要

本文:

(2023年12月20日付、中国政府網の標記発表の概要は以下のとおり)

大学院教育は、高等教育の最高水準であり、国の高等教育の競争力を測る重要な指標の一つであり、また、優れたイノベーターを育成する主要な手段でもある。教育部は、大学院教育システムにおける学術学位と専門職学位に関して、「学院教育における学術学位と専門職学位の分類整備に関する意見」(以下、意見)を発表し、12月19日の記者会見にて、詳しく説明した。主な内容は、以下のとおり。

1.学術学位重視、専門職学位軽視の考え方を転換
2022年、中国の大学院生は365万人に達し、世界第2位の規模で、大学院教育の大国となった。30年以上の発展を経て、学術学位と専門職学位の大学院教育の分類が形成され、2種類3段階の学位レベルの体系が構築された。
しかし、専門職学位の人材育成は学術学位に比べて遅れており、専門職学位は学術学位より地位や価値が低い、という誤解が生じている。実際には、両学位の違いは、人材育成のあり方の違いのみであり、その地位や重要性は同等のものである。

2.両学位の分類の体系化を推進
教育部学位管理・大学院教育司の任友群司長は、「『意見』は、分類を全体の中心テーマと位置付け、学術学位と専門職学位の分類の体系化を推進するものである」と述べた。
意見は、学術学位の教育プログラムは、理論の先進性が重要であり、科学的な真実を求める創造力を向上させるものである。また、国家の重要科学研究プロジェクトやプラットフォームは、人材育成に果たす役割を強化する必要があるとする。一方で、専門職学位においては、実用性が重要であり、産業界における問題解決能力を高めるべきである。専門職学位の分類と対応する、職業資格認定制度を強化する必要があるとしている。
北京師範大学の鍾秉林教授は、「学術学位は学術の基礎を、専門職学位は実用性を重視する。意見は、それぞれの方向性と実施措置を示しており、大学院の教育部門は、学生の育成のあらゆる側面でこれを実行する必要がある。これには、学生募集、教育プログラムの策定、カリキュラムの設定・構築、中間評価、論文のテーマ設定と執筆、実践能力などが含まれる」と述べた。

3.基礎学科の博士と卓越したエンジニアの教育改革の提案
意見はまた、基礎学科の博士と卓越したエンジニアの教育課程の改革に取り組むことを提案している。学術学位大学院では、基礎学科の博士課程教育を重視し、博士課程進学の割合をさらに高めることが求められるとしている。一方で、専門職学位大学院では、工学修士・博士学位の認定ポイントを改め、実践重視教育の「モデルルーム」を作り、修士・博士課程の全面的な改革を推進すべきであるとしている。

[DW編集局]