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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2024/02/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/03/22
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核融合時代の到来
- 本文:
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(2024年2月8日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州の研究チームが、「欧州トーラス共同研究施設(Joint European Torus:JET)」の核融合実験で、エネルギー生成量の世界記録を更新した。
シュタルク=ヴァッツインガー(Bettina Stark-Watzinger)BMBF大臣は、「ドイツ人研究者も参加したJETの核融合における世界新記録達成を祝福する。かつてないほどのエネルギーを生み出すことに成功したことで、核融合時代の到来が感じられる。核融合により大きなチャンスと未来のエネルギーがもたらされる。BMBFは、これまでの核融合研究への支援を拡大すると共に、新たな助成プログラムにより、産業界との核融合エコシステム構築と、ドイツにおける核融合発電所の早期実現に向けて努力したい」と述べた。
この新記録達成には、マックスプランク・プラズマ物理学研究所(IPP)も、主導的な役割を果たした。IPPは、BMBFの資金提供を受けて、ミュンヘンでトカマク(Tokamak)型核融合炉(ASDEXアップグレード型)を、グライフスヴァルトでステラレータ(Wendelstein 7-X型)を稼働させている。
BMBFは、本年以降、すでに進行中の公的機関による核融合研究に、新たな助成プログラムを追加し、今後5年間で総額10億ユーロ以上を投資する。目的は、産業界、スタートアップ、科学界からなる核融合エコシステムを構築し、核融合炉建設への道を拓くことである。この助成プログラムは、あらゆる技術を対象としており、磁気核融合とレーザー核融合の両方に門戸を開いている。このプロジェクト助成は、IPP、カールスルーエ工科大学(KIT)、ユーリッヒ研究センター(FZJ)における核融合研究に対するBMBFの長期的な助成を補完するものである。
[DW編集局]