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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2024/02/06
- 抄訳記事公開日:
- 2024/04/01
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英国、AIにおけるリーダーシップ強化に向けた規制当局の段階的変革を示唆
UK signals step change for regulators to strengthen AI leadership
- 本文:
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(2024年2月6日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)
DSITは本日、AI規制白書(AI Regulation White Paper)の助言に対する政府の回答として、より機敏なAI規制を目指すため、規制当局に対して、AIのリスクと機会への対処に必要なスキルとツールを提供すると発表した。
これは、規制当局がこの画期的な技術のリスクに対処し、機会を活用するための準備とスキルアップに1,000万ポンドの支援が発表されたことを受けたものである。この資金は、規制当局が、通信や医療から金融、教育に至るまで、各分野のリスクと機会を監視し、それに対処するための最先端の研究と実践的なツールの開発を支援する。たとえば、これにはAIシステムを検証するための新たな技術ツールなどが含まれる。
規制当局の多くはすでに行動を起こしている。たとえば、個人情報保護監督機関(U.K. Information Commissioner’s Office)は、公正さを確保するために、個人データを処理する AI システムへのデータ保護法の適用に関する指針を更新し、施行通知の発行などを通じて組織の責任を追及し続けている。しかし、政府は、AI技術の活用が増加する中、AI時代に向けて整備を進めさらに強化したい考えである。機敏な規制システムにより、規制当局が新たなリスクに迅速に対応することを可能にすると同時に、開発者にイノベーションと成長の機会を与えることができる。
透明性を高め、英国の企業や国民に信頼を与える取り組みとして、情報通信庁(Ofcom)や競争・市場庁(Competition and Markets Authority)などの主要規制当局は、AIの管理方法に関する考え方を4月30日までに公表するよう求められている。規制当局がそれぞれの領域におけるAI関連のリスク、それらに対処するための現在のスキルセットと専門知識、そして今後1年間にAIをどのように規制するかについての計画が示されることになる。
これは、本日公表されたAI規制白書の助言への回答の一部を成すもので、規制に対する英国独自のアプローチを確立し、新たな問題に迅速に対応できるようにするとともに、産業界に対してイノベーションを抑制するような負担を課さないようにするものである。AI規制に対するこのアプローチは、英国が競合国に比してより機敏に対応できると同時に、AIの安全性の研究と評価をリードし、英国が安全で責任あるAIイノベーションのリーダーになるための大胆な道筋を描くものである。
AIは急速に進歩しており、リスクとそれに対する対策はまだ解明されていない。政府は拙速な立法措置や「その場しのぎ(quick-fix)」の規則導入はしない。そうではなく、状況に応じたアプローチによって、規制当局が的を絞った方法でAIリスクに対処することを促進する。
しかし、政府は今回初めて、最先端のAIシステムの開発者に、AIを十分に安全なものにする責任を持たせるため、将来導入される可能性のある拘束力のある要件についての考え方を示した。
[DW編集局]