[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立標準技術研究所(NIST)
元記事公開日:
2024/02/16
抄訳記事公開日:
2024/04/05

NIST、核酸合成におけるAIの悪用を防ぐ安全策を策定

NIST, Nonprofit Research Consortium to Develop Safety Tools for Synthetic Biology to Defend Against Potential Misuse of AI

本文:

(2024年2月16日付、国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)の標記発表の概要は以下のとおり)

人工知能(AI)は、人間の健康を改善するバイオテクノロジーの開発に役立つ可能性もあれば、逆に害を増大させる可能性もある。従って、核酸合成を行う研究機関がAI関連のリスクを認識し、それらのリスクを特定・低減するための指針が必要である。-

NISTは、核酸合成に関連するAIの悪用に対処するためのスクリーニングと安全策を策定するため、非営利団体である「生物工学研究コンソーシアム(Engineering Biology Research Consortium:EBRC)」と2年間の研究協力協定を締結した。

NISTは、最近の「AIに関する大統領令」が、AIの進歩を踏まえ、関連機関に対して、核酸合成に関する基準、ベストプラクティス、実施ガイドの策定を求めたことを受け、この共同研究を開始した。大統領令はNISTに対して、遺伝子材料の合成に関連するAIの悪用を防ぐ手段を開発するため、産業界や他の関係者との協力取り組みを求めている。NISTは、EBRCと協力し、公共の安全を確保するためのベストプラクティスと指針を策定する。

研究者らは、バイオテクノロジーによる画期的な薬剤や治療法などを開発するために合成核酸を利用してきたが、核酸の合成が容易になっていることから、特にAIの進歩に照らして、公衆、環境、国家安全保障にリスクをもたらしかねないとの懸念を高めている。

今回のNISTとEBRCの共同研究は、核酸合成における安全性とセキュリティを確保するために必要なインフラを特定し、詳述することを目的としている。協力協定の一環として、両機関は、産業界、大学、政府機関、その他の関係者からの意見を求めている。

[DW編集局]