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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/03/05
- 抄訳記事公開日:
- 2024/04/19
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欧州の即応能力と安全保障を強化するための史上初の防衛産業戦略と新規防衛産業プログラム
- 本文:
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(2024年3月5日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会(EC)と上級代表はこのほど、EUレベルで初となる欧州防衛産業戦略を発表し、防衛産業の競争力と即応性を支援する一連の野心的な新規施策を提案した。
この戦略は、欧州防衛技術産業基盤(EDTIB)が現在直面している課題だけでなく、その可能性を最大限に活用する機会についても概説し、今後10年間の方向性を示している。欧州防衛産業の備えを高めるために、加盟国はより多くのより適切な投資を、欧州全体で協力して行う必要がある。加盟国のこれらの目標達成を支援するために、欧州防衛産業戦略は、以下を目的とする一連の施策を提示している。
・能力開発計画(CDP)、防衛に関する統括年次レビュー(CARD)、常設軍事協力枠組み(PESCO)などの既存の手段や取り組みに基づいて、加盟国の集団的防衛要求を効率的に表明できるようにする。防衛装備の調達における加盟国の協力を奨励することによって支援される。
・EDTIBを通じて、あらゆる状況や期間において、すべての防衛製品の可用性を確保する。最先端の防衛技術・能力の開発と市場投入に対する加盟国と欧州防衛産業による投資が支援される。緊急事態下でもEDTIBが必要なものを自由に使えるようにするための措置、すなわちEUの安定供給も提案されている。
・加盟国およびEUの予算が、防衛産業を新たな安全保障上の動向に適応させるために必要な手段を支援できるようにする。
・特に今年は欧州投資銀行(EIB)の融資政策の見直しを求めるなど、政策全般にわたって防衛即応文化を主流化する。
・防衛産業を支援するEUの取り組みを通じてウクライナとの緊密な関係を発展させ、EUとウクライナの防衛産業間の協力を促進する。
・NATOおよび戦略的かつ志を同じくする国際的パートナーと連携し、ウクライナとより緊密に協力する。
欧州防衛産業プログラム(EDIP)は、2023年に採択され2025年に終了する短期的な緊急措置から、防衛産業の即応性を達成するためのより構造的かつ長期的なアプローチへの橋渡しとなる新しい立法イニシアチブである。これにより、欧州防衛技術産業基盤(EDTIB)に対する支援の継続が確保され、新たな現実への迅速な適応が可能となる。
EDIPは、EDTIBの競争力を継続的に強化するため、2025年から2027年の期間にEU予算の15億ユーロを動員する予定である。
[DW編集局]