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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/03/08
- 抄訳記事公開日:
- 2024/04/25
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「欧州のデジタル10年」の実現(フォン・デア・ライエン欧州委員会の業績)
- 本文:
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(2024年3月8日付、欧州委員会(EC)の標記発表文書の概要は以下のとおり)
過去4年間、デジタル技術によってもたらされる社会に機会を確実に捉え、それに伴う市民のリスクを最小限に抑え、競争力とレジリエンスを構築するために戦略的に投資を行ってきた。
■ 技術
EUには現在、世界で最も強力なコンピュータが3台ある。この技術的リーダーシップは、我々の気候変動に対する目標と密接に関係している。たとえば、フィンランド北部にあるLUMIのスーパーコンピュータは100%水力発電を使用しており、その廃熱は数百世帯の暖房に使用されている。
「欧州チップ法」により、EUを半導体の世界的リーダーに変えようとしている。スケールアップとイノベーションを支援し、製造業を後押ししている。この法律はすでに1,000億ユーロを超える投資計画を促しており、世界の半導体市場におけるEUのシェアを2030年までに20%に倍増するという目標に貢献している。
欧州はこれまで以上にデジタルへの投資を行っている。「次世代EU基金(NextGenerationEU)」では資金の20%をデジタル関連施策に活用するという目標を上回っている。これらの投資により、EUの約1,800万世帯が高速インターネットを利用できるようになり、2億4,700万人のユーザーが新規または改良された公共デジタルサービスの恩恵を受けている。
■ AIとデータ
ChatGPTのようなサービスがブームになる前から、人工知能が我々の生活に与える影響を予期していた。AI法により、EUは信頼できるAIのイノベーションを促進しながら、AIの使用が安全かつ人間中心であることを保証するために、リスクから保護する世界初の法規制区域となる。
AI革命はデータによって推進される。それを展開するために、EUのデータ法は、革新的な用途向けにあらゆる種類の接続デバイスのユーザーによるデータ共有を開放し、異議を申し立てることができる公正なデータ処理サービスを要求し、信頼できるデータ仲介者とデータスペースの基準を確立する。同時に、EUのサイバーレジリエンス法は、EU内で販売されるすべての接続デバイスに高いサイバーセキュリティ基準を設定することにより、データを安全に保つ。
新型コロナ禍で、欧州委員会は「EUデジタルCOVID証明書」を発行した。これは機密の健康データを扱う安全な手段であり、22億回発行され、78の国と地域を結び付け、欧州人がEU内を安全かつ自由に旅行できるようにした。今ではWHOの基準になっている。
■ プラットフォーム
パンデミックは、オンラインの有害なコンテンツを軽減する必要性が明確になり、デジタルジャイアントへの我々の依存を露呈させた。デジタルサービス法は、違法コンテンツを削除し、子供たちや選挙に関するリスクの対応など、最大手のプラットフォームに対して、さらなる説明責任を課している。デジタル市場法は、ゲートキーパー・プラットフォームが自らの利益のみに経済力を利用し、革新的なオンライン・ビジネスを排除することを禁止している。
[DW編集局]