（2024年3月5日付　中華通信社の標記発表の概要は以下のとおり）

以下は、国務院の委託を受け、国家発展改革委員会が3月5日に第十四回全国人民代表大会第二次会議に提出した「2023年の国民経済と社会発展計画の実施状況および2024年の国民経済と社会発展計画の草案に関する報告書」の要約である。

一．2023年の国民経済と社会発展計画の実施状況

2023年は、党の第20回全国代表大会精神を徹底的に実施する一年目であり、新型コロナウイルス感染症が収束した後の経済回復・発展の年であった。習近平同志を中心として党中央の強力な指導の下で、地方や各部門は習近平新時代中国特色社会主義思想を指導原則とし、党の第20回全国代表大会と第20回中央委員会第2回全体会議の精神を全面的に貫徹し、習近平新時代中国特色社会主義思想の学習と貫徹を深め、党中央と国務院の決定と部署に従い、第14回全国人民代表大会第1次会議で審議・承認された2023年の国民経済と社会発展計画を真摯に実行し、全国人民代表大会財政経済委員会の審議意見を実施し、外部の圧力に抵抗し、内部の困難を克服し、安定を維持しつつ前進する総基調を堅持し、新しい発展理念を完全かつ正確に全面的に貫徹し、新しい発展パターンの構築を加速し、高品質の発展を推進し、改革開放を全面的に深化し、マクロ経済調整力を強化する、内需の拡大、構造の最適化、信用を高め、リスクの防止と解消に力を入れ、新型コロナウイルス感染症が収束し、防疫が重大な決定的な勝利を収め、中国経済が波状的に発展し、紆余曲折を経てし、全体的に好転し、主要な発展目標を達成し、高品質な発展を着実に推進し、社会主義現代化国家の全面的な構築に堅固な一歩を踏み出した。

年間の国内総生産（GDP）は126兆600億元で、5.2％増加した。都市での新規雇用は1244万人で、全国の都市失業率の平均は5.2％であった。消費者物価指数（CPI）は0.2％上昇した。国際収支は基本的なバランスを維持し、年末の外貨準備規模は3兆2379.77億米ドルでした。

（●以下は、概要に掲載された11項目のうち、科学技術・イノベーションに関連する（三）、（四）、（九）、（十）のみをとりあげる。）
（三）全力をあげてイノベーションの推進を強化し、高水準の科学技術自立自強は顕著な成果を上げている。第一に、国家の戦略的な科学技術力は持続的に強化されている。重要な中核技術を研究する新しい国家体系は継続的に改善された。国家の実験室体系の構築が着実に推進された。国際的な科学技術イノベーションセンターや地域的な科学技術イノベーションセンターの建設が総合的に推進された。いくつかの重要な科学技術のインフラが新たに建設された。第二に、大きなイノベーションの成果が次々と現れた。新しい「提榜挂帅（指揮官リスト）」や「競馬」などの組織メカニズムがさらに改善され、いくつかの重要な科学技術のイノベーション成果が得られた。第三に、企業の技術イノベーションを支援する力が強化された。科学技術イノベーションの主体としての企業の地位を強化する方針が打ち出され、企業の技術イノベーション能力の向上を促進する行動計画が実施された。企業の技術進歩を支援する特別再融資枠に1000億元を追加し、条件を満たす集積回路や工業基幹企業の研究開発費の控除率を120％に引き上げ、条件を満たす業界企業の研究開発費を100％控除する政策を長期的制度として実施することが決定された。第四に、人材育成の制度とメカニズムがより改善された。科学技術奨励メカニズムの改善に関する意見が実施された。若手科学技術人材の育成と活用を強化する政策措置が打ち出された。職業教育における産業と教育の融合連携を強化・促進する行動計画が実施された。全社会の研究開発（R&D）への投資は3兆3278.2億元に達し、8.1％増加し、国内総生産に占める割合は2.64％に達した。

（四）現代的な産業体系の構築を加速し、持続的に実体経済の基盤を固め、強化した。第一に、伝統産業の転換と高度化が加速した。産業構造調整の指針目録を修正し、伝統的な製造業の転換と高度化を加速する指導意見を打ち出した。製造業の中核的競争力を向上させるための行動計画を段階的に実施し、製造業の中間試験能力の支援を強化する行動計画を打ち出した。高品質で効率的なサービス産業の新しい体系の構築を加速した。第二に、戦略的新興産業が躍進した。戦略的新興産業の品質の高い発展を支援する政策体系を改善した。新エネルギーや未来エネルギー、次世代情報技術、バイオ医薬品、商業航空宇宙および航空などの新興産業の発展を加速した。新エネルギー自動車の生産と販売が9年連続で世界トップに位置し、年間販売台数が新車販売台数の30％以上を占めた。人工知能、バイオ製造などの将来の産業が順調に展開された。第三に、デジタル経済の発展が加速していた。デジタル技術と実体経済の融合が着実に推進され、デジタル経済の主要産業の付加価値が国内総生産に占める割合は持続的に上昇していた。プラットフォーム企業の規範的かつ健全な持続的な発展を推進していた。第四に、最新のインフラ体系がさらに改善された。 “八縦八横”高速鉄道の主要路線の建設が加速し、全国の道路網が持続的に改善され、中西部地域のサブブランチ空港および西部地域のハブ空港の建設が支援された。全国的な統合型計算力ネットワークの構築が加速した。

（九）炭素排出削減、汚染削減、グリーン化拡大・成長の相乗効果により、グリーンで低炭素な転換に新たな進展がもたらされた。第一に、生態環境保護とガバナンスが継続的に強化された。青い空、清い水、きれいな土壌を守る戦いを着実に推進し、全国の地（市）級およびそれ以上の都市の微小粒子状物質（PM2.5）の平均濃度は30マイクログラム/立方メートルであり、全国の地表水のⅠ〜Ⅲ級の水質断面比率は89.4％で、1.5％ポイント上昇し、土壌の重金属汚染防止と管理に肯定的な効果が得られた。重要な生態系の保護と修復のための重要なプロジェクトの実施を加速した。土地緑化の任務は1.26億エーカーで完了した。

第二に、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルを積極的かつ安定的に推進した。エネルギー消費の総量と強度の管理を完備し、原材料のエネルギー消費と非化石エネルギーはエネルギー消費の総量と強度の制御には含まれていなかった。エネルギー消費の二重管理から炭素排出の二重管理に段階的に移行することを促進した。第三に、発展方式がグリーン化に転換するスピードが加速した。製造業のグリーン化成長を促進する指導意見を打ち出した。国家的な節水行動を徹底的に実施し、国内総生産1万元あたりの水使用量が6.4％減少した。循環経済を大きく推進した。

（十）経済安全保障能力の構築を強化し、安全な発展の基盤をさらに強固にした。第一に、食糧安全保障能力を強化した。食糧安全保障法の制定を推進し、省レベルの党委員会と政府は耕地保護と食糧安全保障に対する責任を評価するための措置を打ち出した。食糧総生産量が歴史的な新記録を再び達成し、1兆3900億斤に達し、9年連続で1兆3000億斤以上を維持した。中国東北部では、高水準の農地建設と黒土地の保護が強化されている。第二に、エネルギー資源の安全が効果的に保障されている。エネルギーの生産、供給、貯蔵、販売体系の構築を着実に推進され、エネルギー消費のピーク時や重要な活動期間においてエネルギー供給が全体的に安定した。原材料の供給と価格の安定を確保した。大国の備蓄体系の構築を加速した。第三に、産業チェーン・サプライチェーンの弾力性と安全レベルを着実に向上させた。集積回路、産業用マザーボード、基本ソフトウェアなどのネック領域の重要な核心技術の研究開発を支援し、産業基盤の再構築プロジェクトと重要技術設備の研究プロジェクトを着実に推進した。国家の物流ハブと国家基幹コールドチェーン物流基地の建設を着実に推進した。第四に、データセキュリティの能力構築を持続的に推進した。データの流通、取引、開発利用を促進し、データセキュリティの管理を強化し、新しい融合領域におけるセキュリティ能力を持続的に向上させた。第五に、経済金融の重点分野におけるリスクを着実に解消した。地方の不動産市場調整措置の最適化や戦略的な調整を支援し、地方債務リスクを慎重に処理し、高リスクの中小金融機関を分類して処理した。第六に、安全生産と災害リスク低減の取り組みを強化した。重大な事故の潜在的な危険を特定し、対処した。北京市・天津市・河北省や中国東北部で発生した深刻な豪雨や洪水被害、甘粛省臨夏州の積石山県での地震被害に有効に対応し、民生必需品の供給を保障し、災害後の復旧・再建、重点的な洪水防止プロジェクト、都市排水・洪水防止能力の向上などで、着実に推進した。

二．2024年の経済社会発展に向けた総合的要求、主要な目標および政策の方向性

（一）総合的な要求
習近平同志を中心とする党中央の強力な指導のもと、習近平新時代の中国特色社会主義思想を指針とし、党の第20回大会および第20回中央委員会第2回全体会議の精神を全面的に貫徹する。中央経済工作会議の方針に従い、安定維持しつつ前進する総基調を堅持し、新しい発展理念を完全かつ正確に、全面的に貫徹し、新しい発展パターンの構築を加速し、質の高い発展を推進する。改革開放を全面的に深化させ、高水準の科学技術の自立自強を推進し、マクロ経済の規制と制御を強化し、内需の拡大と供給側の構造改革の深化を調整し、新しい都市化と農村の全面的な振興を統一管理し、質の高い発展と高水準の安全を統一管理し、経済の活力を確実に強化する。リスクを防ぎ、社会の期待を改善し、経済の上昇基調を堅固にし、経済の（質的な）効果改善と（量的な）合理的な量的な成長を持続的に推進し、民生の福祉を増進し、社会の安定を維持し、中国式現代化を全面的に推進し、強国の建設と民族復興の偉業を成し遂げる。
（この他、（二）主な期待目標と（三）主なマクロ政策の方向性などが設定されている）

三．2024年の国民経済と社会発展計画の主要な任務

（●以下は、概要に掲載された10項目のうち、科学技術・イノベーションに関連する（一）、（七）、（九）のみをとりあげる。）

（一）科学技術イノベーションによる現代の産業体系の構築を主導し、新たな生産力の形成を加速する。第一に、科学技術イノベーション能力の向上を図る。基礎研究の先進性、戦略性、体系性を強化する。産業発展の需要に合わせて、一連の国家重点科学技術プロジェクトを展開する。科学技術イノベーション主体としての企業の地位を強化する。教育、科学技術、人材の一体的な発展を推進する。第二に、伝統的産業の転換と最適化を加速する。重点製造業の品質向上、コスト削減、数量を拡大・促進するための行動計画を策定・実施する。製造業の核心競争力強化、技術変革・アップグレードプロジェクトを実施する。市場主導の法制化による過剰生産能力の持続的解消メカニズムを健全化する。第三に、新興産業と将来の産業を積極的に育成・発展させる。産業イノベーションプロジェクトの立ち上げと実施を開始する。新エネルギー自動車や情報通信などの産業の優位性を強化し、バイオ製造、商業航空宇宙、新素材、低空経済などの新たな成長エンジンを育成する。将来の産業発展計画と支援政策を策定する。第四に、デジタル技術と実体経済の深い融合を促進する。デジタル経済の高品質な発展を支援する政策措置を策定する。適切な配置でデジタルインフラの建設を推進する。デジタル産業化と産業デジタル化を相乗的に推進する。第五に、現代サービス産業の発展を加速する。サービス産業の総合的発展のための行動の展開を推進し、生産サービス産業を専門化し、価値連鎖を高度化させる方向に導き、生活サービス産業を高品質かつ多様化させる方向に導く。第六に、現代的インフラ体系の構築を加速する。インフラの配置、構造、機能、システム統合を最適化し、国家インフラネットワークの骨格を円滑化し、インフラ体系の総合的な機能と総合的な効果をより良く発揮する。

（七）生態文明建設とグリーン低炭素発展を深化させ、美しい中国の構築を加速する。第一に、青い空、清い水、きれいな土壌を守るための戦を継続的に推進する。PM2.5の制御を主軸とし、多種類の汚染物の協調的な制御と地域ごとの汚染の協調的な処理を強化する。環境インフラの整備水準向上活動を積極的に実施する。第二に、生態系の保護を強化する。全域をカバーする生態環境ゾーニング管理システムを確立し、改善する。重要な生態系の保護と修復の大規模なプロジェクトの推進を加速する。バイオ製品の価値実現メカニズムを改善する。第三に、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルを積極的かつ慎重に推進する。経済社会の全面的なグリーン化転換を促進するための方針を打ち出し、グリーン低炭素化転換産業のガイドラインを実施する。また、”カーボンピークアウト十大行動”を着実に推進する。第四に、総合的な保全戦略を着実に推進する。エネルギー、水、食料、土地、鉱物、素材などの総合的な節約するための取り組みを継続し、資源の節約、効率的な循環再利用を強化する。

（九）重点領域における安全保障能力構築を強化し、経済的安全保障を確保する。第一に、食料安全保障の基盤を継続して強化する。党と政府は共同で食料安全保障に責任を負い、耕地保護と食料安全保障の責任制度を厳格に評価する。高水準の農地の整備を強力に推進し、中央および省の投資補助金水準を適度に引き上げる。現代的な種子産業強化プロジェクト建設に対する支援を強化する。農業機械装備の不足部分を補う取り組みを実施する。第二に、エネルギー資源の安全を確保する。新しいエネルギーシステムの計画と構築を加速し、エネルギーの自主的な安全保障能力を向上させる。国内資源安全保障能力強化プロジェクトを継続的に実施する。夏、冬などエネルギー消費のピーク需要期や重要な時期におけるエネルギー供給を確保する。第三に、産業チェーンとサプライチェーンの安定を維持する。製造業の重要な産業チェーンの質の高い発展を実施し、品質サポートと標準の指導を強化し、産業チェーンとサプライチェーンの弾力性と安全性を向上させる。第四に、国家の備蓄システムの構築を強化する。重要な備蓄施設の建設を着実に推進し、備蓄管理と運営、安全防護を強化する。第五に、安全な生産と災害の予防、軽減、救援を強化する。安全生産責任制度を徹底し、安全生産の根本的な課題に取り組む3か年の行動を着実に実行し、重大事故の発生を断固として防止・抑制する。災害後の復興・復興を全力で推進する。第六に、国防動員能力を強化、向上する。新時代の国防動員の質の高い発展を推進するための政策・措置を検討・策定し、新しい領域における新たな動員能力の構築を強化する。

[DW編集局]