[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2024/02/15
抄訳記事公開日:
2024/04/30

DARPA、低環境負荷の海洋エネルギー回収・変換を目指すプログラム「BLUE」を発表

BLUE Aims to Capture, Convert Ocean Energy with Low Environmental Impact

本文:

(2024年2月15日付、国防高等研究計画局(DARPA)の標記発表の概要は以下のとおり)

DARPAは、海洋バイオマスなどを電力に変換することで環境への影響を抑えながらエネルギー問題を解決しようとするプログラム「BioLogical Underwater Energy:BLUE」を発表した。これは、溶存有機物、植物・動物プランクトンなどの豊富でエネルギー密度の高い海洋バイオマスや、マイクロプラスチックなどの物質を活用して、海中配備センサーの継続的な燃料補給とミッション寿命の延伸を図るものである。

水温・塩分・海流パターンを計測する海洋センサーシステムは、国家安全保障、環境動態の理解、気候変動の監視に極めて重要だが、搭載される電池のメンテナンスは高コストで管理の条件も厳しく、人員やサービス基盤へのリスクも生じる。重負荷サイクルセンサの稼働、データ処理・通信には大量の電力が必要であり、これらの機能を低下させれば、運用上の価値は低下する。

30ヶ月間に及ぶ本プログラムが成功すれば、海中センサーシステムに超長寿命で大容量の持続可能な低環境負荷電源を実現できる。プログラムマネージャーであるLeonard Tender氏は、この開発により、多くの海洋展開システムのエネルギー需要を満たせるという仮説を立てている旨を述べている。

プログラム実施者は、利用可能な微細海洋バイオマスの特性評価、最適な主要環境特性の同定、電力変換プロセスの開発に向けた生物学の活用重点的に取り組む。更に、最大1年間の連続発電を可能とするバイオマスの捕捉・大量輸送の戦略を策定し、最終段階では包括的な生態学・環境面の影響分析を行う。実施者は、米国政府、防衛関係者、規制当局と連携し、関連する倫理的・法的・社会的問題にも対応することが求められており、プログラム最初の3か月間にはバイオマス消費に関する環境アセスメントを実施する。

[DW編集局]