[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/03/12
抄訳記事公開日:
2024/05/02

欧州委員会が人々と繁栄を守るために気候リスク管理の重要措置を設定

Commission sets out key steps for managing climate risks to protect people and prosperity

本文:

(2024年3月12日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会はこのほど、欧州における気候リスク管理に関する声明を発表した。声明ではEU全体で人命を守り、コストを削減し、繁栄を守る政策を、準備・実行する方法を示している。この声明は、欧州環境庁(EEA)による史上初の科学報告書「欧州気候リスク評価(EUCRA)」に応えたものである。行政府だけでなく、民間セクターや市民社会のあらゆるレベルに対する行動の呼びかけでもある。EUは排出量を削減し、気候変動を制限するために包括的な施策をとっていが、すでに避けられない変化に適応し、住民と繁栄を守るための方策を講じる必要がある。

欧州委員会の声明は、社会機能を維持し、市民、経済競争力、EUの経済と企業の健全性を保護するために、気候変動に対するレジリエンスを向上させる行動がいかに不可欠であるかを強調している。気候リスクに対する脆弱性を軽減するための先行投資により、コストは大幅に削減される。

EUとその加盟国が気候リスクを管理できるよう、この声明では次の4つの主要な行動カテゴリーを特定している。

・ガバナンスの向上
欧州委員会は、気候変動に対するレジリエンスに関して、国や地域レベルでのより緊密な協力を求めている。

・リスクオーナーをやる気にさせるための適切なツール
政策立案者、企業、投資家は、気候リスクや投資ならびに長期資金戦略の間の相互関係をより深く理解する必要がある。

・構造政策の活用
3つの構造政策領域が、領域横断的にわたる気候リスクの管理において特に有望である。各加盟国における適切な空間計画、重要インフラの計画と維持に気候リスクを組み込む、EUレベルの連帯メカニズムと各国の適切なレジリエンス対策との連携、の3領域である。

・気候変動に対する強靭化の資金支援を行う場合の適正前提条件
欧州委員会は、各国の予算プロセスにおける気候リスク予算編成を改善し、主流化するために、加盟国を支援する用意がある。欧州委員会はEUの施策実施において気候変動適応に関する考慮事項を組み込む予定である。欧州委員会は加盟国に対し、公共調達の競争入札において、環境持続可能性基準を含める場合には、気候リスクを考慮するよう求めている。

[DW編集局]