[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学審議会(NSB)
元記事公開日:
2024/03/13
抄訳記事公開日:
2024/05/08

NSBが報告書「米国の科学と工学の現状2024」を公表

The U.S. Must Invest in its People to Lead Discoveries and Innovations

本文:

(2024年3月13日付、国家科学審議会(National Science Board:NSB)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、NSBは米国及び国際的な科学技術活動の現状に関する報告書「米国の科学と工学の現状(The State of U.S. Science and Engineering)2024」を公表した。本報告書によると、米国は他のどの国よりも多くの研究開発を行なっているが、東アジアや東南アジアの国々、特に中国がその活動を活発化させているため、米国の世界的な地位は低下している。また、外国生まれの科学者やエンジニアが、特に博士号レベルにおいて、米国の競争力に非常に大きな役割を果たしている。本報告書は、COVID-19の大流行が米国の科学技術教育と研究を混乱させ、米国の小中学生の数学の成績に悪影響を与えたことも明らかにした。

本報告書は、米国が科学、技術、イノベーションのあらゆる要素においてもはや優位に立っていないことを示しているが、他方で、留学生の受入先としての大学の強さ、引用数の多い共同研究のほか、情報技術やその他の情報サービス、科学研究開発サービス、ソフトウェア出版を含む、知識・技術集約型サービスにおけるリーダーシップが際立っていると指摘している。

本報告書のハイライトは以下のとおり:

①研究開発:米国は最大の研究開発国であり、2021年の研究開発に対する国内総支出は8,060億ドルである。米国に続くのは、中国(6,680億ドル)、日本(1,770億ドル)、ドイツ(1,540億ドル)、韓国(1,200億ドル)である。米国の2021年の研究開発費は国内総生産の3.5%にあたる。

②出版物:2022年の世界の査読付科学工学出版物の国別シェアは、中国(27%)、米国(14%)、インド(6%)、ドイツ(3%)、英国(3%)、日本(3%)であり、これら6か国で50%以上を占める。2003年から2022年にかけて、1年あたりの科学工学出版物は米国で36%増加したのに対し、中国では約10倍、インドでは約8倍増加した。

③オープンアクセス:オープンアクセスジャーナルで発表された科学工学論文は、2003年の1万9,000件から2022年には99万2,000件へと、過去20年間で50倍以上に増加した。

④初等中等教育:2020年から2023年にかけて、13歳の全生徒を対象とした数学の全国学力調査の平均点は9点下がった。10パーセンタイル(213点)の生徒と90パーセンタイル(322点)の生徒の得点差は1978年の調査開始以来最大となった。

⑤STEM労働力:2021年、STEMの知識と専門性を必要とする多様な職業に就く米国のSTEM労働力人口は3,680万人であり、米国の労働力人口の24%を占める。STEM労働力人口の半分強1,930万人は、学士号以上の学位を持たない熟練技術労働者である。米国のSTEM労働力人口全体のうち外国生まれの者は19%、博士号レベルでは43%を占める。

⑥知識・技術集約型(KTI)産業:米国KTI産業による2021年の付加価値生産高は1兆3,000億ドルに達し、2012年から2021年にかけて2倍以上に増加した。また、世界のKTI産業に占める米国シェアは2012年の30%から2021年には39%に増加した。

⑦発明とイノベーション:国際特許出願総数において、中国の発明者数は、2021年に初めて米国のそれを上回った。

⑧一般市民の認識:米国人の科学者に対する信頼度は、教育水準によって異なり、近年は変動しているものの、数十年にわたり高い水準を維持している。

[DW編集局]