[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2024/03/21
抄訳記事公開日:
2024/05/21

米アカデミー報告書がRNAへの理解を変革しRNA科学・バイオ技術に投資するためのロードマップを提示

Report Lays Out Road Map to Transform Understanding of RNA and Invest in RNA Science and Biotechnology

本文:

(2024年3月21日、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)が発表した報告書の概要は以下のとおり。)

全米科学・工学・医学アカデミーの新たな報告書は、全ての生物システムのRNA分子をその修飾の全てを含めて配列を決定する能力を開発するためのロードマップを提示した。この報告書は、当該分野において技術を進展させ、データリソースを集約し、研究開発の水準を向上させ、スキルを備えた労働者を育成するため、15年間にわたるイニシアチブの優先事項とマイルストンを示している。
ここで提案されているイニシアチブの中核は、大統領府科学技術政策局(OSTP)のような監督組織の先導による、包括的・戦略的な米政府の取組と、RNA変異の研究およびマッピングへの協調的な投資である。その広範な影響の可能性を踏まえ、本報告書は、国立衛生研究所(NIH)、国立科学財団(NSF)、国立標準技術研究所(NIST)、国防総省(DOD)、エネルギー省(DOE)等の主要連邦機関に対し、学界・産業界・慈善団体・国際パートナーと協力してイノベーションを推進するよう求めている。

近年のRNA理解の深化により有用なバイオ技術が生まれている。その最も注目すべきバイオ技術としては、科学者が長年のmRNA研究を利用して、COVIDワクチンを迅速に製造したことである。また、RNAを用いたがん治療の画期的応用が既に臨床試験に入っている他、健康・医療への応用を超えて、RNA修飾による、、農業生産性や他のバイオ基盤産業の向上も期待されている。
本報告書は、主要な官民グループが協調して時間・労力・資金を投資することにより、15年以内に、1回の実験で全てのRNA変異の位置・存在量を特定できる技術・計算ツールが開発されうることを示しており、これにより社会・国家利益に係る他の重要分野での進歩も促進しうる。

[DW編集局]