[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/04/03
抄訳記事公開日:
2024/05/23

欧州委員会、太陽光発電セクターにおける外国補助金規制に基づく2件の詳細調査を開始

Commission opens two in-depth investigations under the Foreign Subsidies Regulation in the solar photovoltaic sector

本文:

(2024年4月3日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会はこのほど、外国補助金規制(FSR:Foreign Subsidies Regulation)に基づいて2件の詳細調査を開始した。公共調達手続きにおいて入札参加者に与えられる外国の補助金が市場を歪める可能性のあるかどうかに関する調査である。欧州委員会は、事業者がEU内の公的な契約を獲得するために不当な利益を得たかどうかを調査する。

このほど開始された調査は、LONGi Solar Technologie GmbHを含むENEVOグループともう一件、Shanghai Electric UK Co. Ltd.およびShanghai Electric Hong Kong International Engineering Co. Ltd.によって提出された通知を受けて行われた。当該の公的手続きは、設置電力454.97MWのルーマニアの太陽光発電パークの設計、建設、運営のためにルーマニアの契約当局(Societatea PARC FOTOVOLTAIC ROVINARI EST S.A.)によって開始された。このプロジェクトはEU近代化基金によって一部資金支援を受けている。

外国補助金規制によれば、契約の見積額が2億5,000万ユーロを超え、かつ通知前の3年間に少なくとも第三国1か国から400万ユーロ以上の海外資金の提供を受けた場合、企業はEU域内での公共調達入札を通知する義務がある。

すべての提出書類の予備審査の結果、欧州委員会は入札参加した2社が域内市場を歪める外国補助金を受け取っていたとして、両社に対し詳細な調査を開始することが正当であると判断した。

詳細調査において、欧州委員会は外国補助金疑惑をさらに調査し、企業が入札に応じる際にそれらの補助金が不当に有利なオファーの提出を可能とした可能性があるかどうかを確認するために、必要な情報をすべて入手する。

外国補助金規制の規定に従い、欧州委員会は詳細調査の結果、①企業が歪みを完全かつ効果的に是正する場合には、企業が提案する約束を受け入れる、②契約の締結を禁止する、または③異議なしの決定を下す、ことができる。

[DW編集局]