[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/03/15
抄訳記事公開日:
2024/05/28

EUの防衛産業強化のための総額20億ユーロのうち、弾薬生産の増強に5億ユーロを割り当て

The Commission allocates €500 million to ramp up ammunition production, out of a total of €2 billion to strengthen EU's defence industry

本文:

(2024年3月15日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会はこのほど、弾薬生産支援法(ASAP)に基づいて予見されていた5億ユーロを割り当てた。これにより、欧州の防衛産業は2025年末までに弾薬生産能力を年間200万発まで増強することができる。

欧州委員会はまた、共同調達を通じた欧州防衛産業強化措置(EDIRPA)のための作業プログラムと欧州防衛基金(EDF)の第4回年次作業プログラムも開始した。

これらのプログラムを合わせると、ほぼ20億ユーロの予算となる。欧州の防衛技術および産業の基盤強化に向けた今回の措置は、史上初の欧州防衛産業戦略(EDIS)の採択とそれに関連する欧州防衛産業プログラム(EDIP)の提案を受けて講じられたものである。

■ 弾薬生産能力を年間200万発に増強するために5億ユーロ

ASAPの支援により、欧州は2025年末までに年間弾薬生産能力200万発に達すると期待されている。

■ 加盟国による防衛能力共同調達の奨励に3億1,000万ユーロ

総予算3億1,000万ユーロのEDIRPA作業プログラムは、3つの領域での共同調達を支援する。①弾薬(例: 小火器、砲弾、迫撃砲、ロケット弾)、②防空およびミサイル防衛、③プラットフォームおよびレガシー・システムの代替(例: 戦車、装甲車両、支援システム、兵士システム、ドローン)。

■ EUの防衛研究開発プロジェクトの促進に11億ユーロ

欧州が防衛技術・イノベーションの最先端を維持できるようにするために、欧州委員会は欧州防衛基金(EDF)の第4回年次作業プログラムを採択し、EU防衛研究開発プロジェクトを強化のための11億ユーロを割り当てて、対応する提案公募を開始した。そのうちの2億2,500万ユーロは、EU防衛イノベーション・スキーム(EUDIS)に基づく専用措置を通じてイノベーションと防衛関連の新興企業を支援するものである。ファンディングの優先順位は加盟国と共通に合意されており、防衛技術・能力のニーズ、および安全保障環境の変化によって増大する新たな脅威が考慮されている。

32件の公募テーマをカバーする2024年のEDF作業プログラムは、極超音速ミサイルへの対抗、空中および地上でのさまざまな無人車両の開発、安全な宇宙通信の確保など、重要な防衛分野のプロジェクトを資金支援する。ヘリコプターや中型貨物機など次世代防衛システムの基盤を整える。

[DW編集局]